株式会社ミキモトにご協力頂き産学連携ゼミナールを実施しました(2025年度春学期)
産学連携ゼミナール概要
マーケティング戦略コースでは、3年生のゼミナール履修者を対象として、産学連携ゼミナールを実施しています。
産学連携ゼミナールは、企業の方にご協力を頂き、マーケティングに関する課題に学生が取り組む体験型演習プログラムです。マーケティング理論の実践や企画力・提案力・論理性といった能力の向上、企業・業界研究を通じて自身のキャリアビジョンの明確化をはかることを目的としており、玉川大学キャリアセンターの協力も得て実施しています。
2025年度春学期は、養殖真珠のオリジネーターとしても有名でグローバルな総合宝飾企業である株式会社ミキモト様(以降、ミキモト)にご協力を頂きました。
株式会社ミキモト
https://recruit.mikimoto.com/company/
今回の課題と学生の提案
<事前講義>
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まず、ミキモト人事部の菅谷様、黒田様にご来校頂き、事前講義として業界や企業を取り巻く環境変化と課題の説明を頂きました。国内ジュエリー業界はインバウンド需要などもあって拡大傾向にはありますが、ジュエラー間だけではなく、高級車や海外旅行など、広くラグジュアリーな商品や体験と競合するようになっているそうです。ミキモトは、東洋で唯一のハイジュエラーであり、創業当初からグローバル展開にも取り組んで来たことで、世界中の国賓やVIPのご訪問があることをご紹介いただきました。また、マーケティングの取り組みとして、顧客層の拡大を目的に「ジェンダーレス」「ボーダーレス」「エイジレス」の切り口から、他のブランドとのコラボレーションや、商品ライン、広告・販促の施策をご紹介頂いた後、今回の課題が提示されました。
今回の課題は「現在ミキモトの取り組んでいる『ジェンダーレス』、『ボーダーレス』、『エイジレス』へとターゲット拡大を更に進めるために認知度の拡大、売上向上を目的とした新しい施策案を提案してください。」というものです。提案に際しては、ラグジュアリーブランドへの憧れの醸成も意識することなどの注意点も示していただきました。
<学生からの提案>
1か月弱の期間の中でマーケティング戦略コースの学生が所属する各ゼミナールでグループ毎にリサーチや検討を行い、ミキモトの方の前で最終報告する代表グループを各ゼミナールで選抜を行いました。
最終報告会では、人事部の菅谷様、黒田様に加えて、玉川大学工学部の卒業生で、現在は店舗で営業を担当されている岩崎様にもご同席頂きました。各グループの報告と質疑を交え、学生にとっても学びの大きいものとなりました。講評として今回ご指摘いただいたのは、提案の根拠となるデータをしっかり集めて提案することができているグループが多かったという点です。グループによっては、分析のフレームワークを用いたり、独自にアンケート調査を行っていたりしたところもありました。
全グループの発表後、5ゼミナールの中で最優秀賞と優秀賞を選定頂きました。その結果、木内正光ゼミナールの代表グループが最優秀賞、矢野尚幸ゼミナールの代表グループが優秀賞を受賞しました。受賞者には、ミキモト様のご厚意で記念品をご提供頂きました。
木内ゼミナールは、ジェンダーレスに着目し、子どもたちが自分自身を表現する体験を通じてジェンダーレスの価値観を育む教育×真珠の新事業を提案しました。未来のジェンダーレス社会の到来から今行うべきこととして整理されている点なども高い評価を頂きました。矢野ゼミナールはエイジレスに着目し、祖父母から孫に贈るプレゼントと贈られた商品をリメイクして大人になっても使えるようにしていくサービスを提案しました。購買者(ショッパー)と消費者(コンシューマー)の違いに着目した点などに高い評価を頂きました。
最後に岩崎様から、現在の仕事の紹介や後輩の現役学生に向けてメッセージを頂きました。社員がいうと嘘っぽく聞こえるが・・・と前置きしながらも、実際の働き方や職場環境の良さがとてもよく伝わるお話でした。また、今回の学生の発表をお聞きいただき、改めて自分自身の仕事なども振り返るきっかけになったと褒めていただいたことは学生の皆さんにとっても自信につながったと思います。
<最優秀賞 木内正光ゼミナール>
<優秀賞 矢野尚幸ゼミナール>
<卒業生による仕事紹介・アドバイス>
提案を終えて
3年生にとっては、はじめての産学連携ゼミナールです。ハイジュエリーという、学生としては必ずしも身近とは言えないテーマだったかもしれません。実際に今回初めてミキモトという名前を知ったという話をしていた学生も少なくありませんでした。知識のないところから業界について勉強することで、知識が広がり業界に興味を持つきっかけにもなったと思います。また、今回他のグループの発表を聞くことで、「自分達もこうした方がよかった」と気づく点も少なくなかったと思います。秋学期にチャレンジする機会もありますので、ぜひ改善点を次に生かしてください。
今回、貴重な機会を提供頂きました株式会社ミキモトの菅谷様、黒田様、岩崎様に厚く御礼申し上げます。
ご協力いただいた企業からのコメント
それぞれのチームの発表はとても興味深く、個性が際立っていて素晴らしいものでした。
若年層への認知度向上や、「ボーダーレス」「ジェンダーレス」いった観点から、ラグジュアリーを持続的に楽しんでもらうための施策について、多角的な視点から工夫を凝らして提案してくださったことに、心より感謝申し上げます。
どのゼミの発表も非常に楽しく拝聴し、実効性の高さにわくわくしながら聞かせていただきました。学生の皆さんの熱意と創造力に、大いに刺激を受けました。貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。これからもご縁が続きますこと願っております。