環境省グリーンボンドガイドライン2020年版の発表(島義夫)

島義夫(ファイナンス・金融)

3月10日、環境省から「グリーンボンドガイドライン2020年版」が発表されています。

以下環境省の報道発表参照。
https://www.env.go.jp/press/107803.html

今回も前回の2017年版ガイドライン作成と同様に中立的な立場の委員としてガイドライン作成に参加しました。

今やSDGsやESGを知らずにビジネス社会は生きていけないので経営学部の学生は皆、必ず自分で調べて人に説明できる程度の知識を持って欲しいと思います。上の報道発表と添付ガイドラインを読むことはそれらの良い入門になるはずです。また、2年生必修授業の「基礎ファイナンス」ではSDGs、ESGについて学ぶことになっています。

もちろんグリーンボンドとは資金調達手段であり、金融を通じて環境に貢献するものです。

それほど知られてはいないが実はこの数年で驚くほど多くの企業や事業がグリーンボンドを発行しています。

玉川の学生諸君に最も身近なところでは小田急電鉄が「小田急湯けむりグリーンボンド」というユーモラスな名称で継続的に発行しています。

報道発表と添付資料にあるように、今回のガイドラインはグリーンボンドだけでなくグリーンローン、サステナビリティ・リンクローンも含まれています。それぞれの用語の使い分けにも注意して理解してください。

ボンド(債券)とは環境事業へ投資を実行する企業が発行する証券でありそれを投資家が直接購入します。グリーンボンドの投資家は一般には保険会社や信託銀行、年金ファンドのような機関投資家ですが上記小田急のように個人投資家に向けて発行されることもあります。

グリーンローンとは、環境投資を行う企業に銀行などが貸し付けるローンです。銀行が多くの人から預金を預かりグリーン投資に融資するわけです。

さて、グリーンとサステナビリティの違いは何でしょうか? もう一度SDGsの意味を調べてみてください。そのSがサステナビリティです。

サステナビリティは環境やソーシャルも含めたより広い概念です。「ソーシャル」というのは社会的に良いことを行うという解釈で良いでしょう。

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