2025.08.04
スペインのアンダルシア地方、グラナダの生まれ。詩作の後、1930年代から劇作に転じ、いずれも故郷の田舎を舞台に個性的な作品を残した。なかでも、悲劇三部作『血の婚礼』(1932)『イェルマ』(1934)『ベルナルダ・アルバの家』(1936)は代表作とされる。〈スペインの村の女のドラマ〉と副題された『ベルナルダ・アルバの家』を書き上げた直後に始まったばかりのフランコ将軍による反革命の犠牲となって、故郷のグラナダで銃殺される。38歳の若さで亡くなった。その悲劇的な死が、彼の人気をさらに高めたと言われているが、1975年にフランコ将軍が死去するまで、スペインでロルカを自由に語ることは許されなかった。
太陽が激しく照りつける乾いた大地。南スペイン、アンダルシア地方にある小さな村で、3年の恋を実らせ婚約を交わしたカップルがいた。花婿は母親と二人暮らし、真面目で勤勉な若者である。花嫁は父親と二人暮らし、優しく家庭的な娘である。幸せそうな二人の前に、花嫁の昔の恋人レオナルドが突然現れ、花嫁の心は激しく揺さぶられる。彼女はレオナルドに対する本当の気持ちを隠して結婚しようとするが、とうとう婚礼の日、彼と逃げ出す。さらにレオナルドは、花婿の父親と兄を殺した一族の人間だった。この因縁めいた出来事は宿命なのか……アンダルシアの平和で静かな生活は、突然打ち砕かれた!
期間中は、61名のスタッフ学生と34名の出演者学生、総勢95名に及ぶプロダクションにもかかわらず、誰一人欠けることなく全公演を終えることができました。今回の演劇公演『血の婚礼』では、稽古期間の2ヶ月半、アーカリ演出家からヨーロッパ式俳優訓練を毎日行ないました。また、演出や芝居づくりに関しても学生にとっては初めての試みが多かったと思いますが、出演者もスタッフも常に全力でチャレンジし、それぞれのスキルや能力を充分に伸ばすことができ、本番では大きな成長が見られて学修の成果がはっきりと表れました。また、お客様からもたくさんのご好評を頂き、実り多い公演となりました。
ロルカのユニークな才能・想像力から生まれた独特の演劇的イメージ、ストーリーや人物の面白さが生み出す世界観を、それぞれの役割においてあらゆる芸術を統合しながら各人が全力を発揮し、これまでに観たこと・経験したことのないような舞台を創りあげることを狙いとした。日本の演劇界がますますグローバル化していく中で、玉川の演劇教育において学生にはさまざまなディレクター、アプローチや方法に触れる機会を持ち、常に頭と心と身体を柔軟にして「今までとは違った演劇」に挑戦し続け、幅広い可能性を持つ演劇人として成長してほしいと願う(アーカリ,ジェイスン教授)
玉川大学芸術学部 演劇・舞踊学科 2025年度卒業公演『血の婚礼』
作:フェデリコ・ガルシーア・ロルカ
演出・脚色・構成:アーカリ、ジェイスン
スタッフ指導:玉川大学芸術学部演劇・舞踊学科教員
公演会場:玉川大学 大学3号館 演劇スタジオ
公演日時:2025年6月18日(水)~6月21日(土)全日18:30開演