研究のキーワード
腐食疲労
溶融亜鉛めっき
炭素鋼

近年、高度経済成長期に集中的に整備された日本の交通インフラおよび海洋構造物等の疲労や腐食を要因とした事故の発生が懸念されています。周辺を海で囲まれ、また台風の常襲地帯である我が国は過酷な腐食環境に晒されているため、耐食性に優れる亜鉛めっき鋼材が多用されてきました。亜鉛めっき鋼材の耐食性に関する研究は進んでいますが、疲労特性については研究がすすんでおらず解明されていない点が多くあります。一般に鉄鋼材料は腐食環境下で使用した場合、腐食部が応力集中箇所となり疲労強度は低下することが知られています。しかしながら、私が所属する研究グループの成果において、溶融亜鉛めっき鋼材は高湿度環境下ほど、めっき層の酸化によりき裂が閉口し疲労強度は増加することが判明しました。つまり、溶融亜鉛めっき層表面の酸化は疲労強度に優位に作用する事が期待できます。

材料評価研究室では、構造材料の強度や破壊機構の解明に焦点を当て、環境問題や社会問題の解決に向けた切り口で研究を行っていきます。

また、研究活動を通して、社会人として必要な人間力(自己表現力、コミュニケーション能力、身だしなみ、マナーなど)が養われる指導を心掛けています。