Department of Software Science
現代のIT社会は、コンピュータやネットワークによる基盤システムを前提にして成り立っています。
その中で、スマホやケータイ、ゲーム、アニメ、電子書籍、クラウドなど多くの情報インフラやモバイル環境、そしてアミューズメント関連分野は日進月歩の進化を続けています。
ソフトウェアサイエンス学科では、さまざまなデジタル製品のソフトウェアに着目し、1、2年次にはプログラミングやネットワーク技術、情報セキュリティ技術、画像処理、モバイル技術、ゲーム・コンテンツ作成法などを総合的に学修。
そして3年次からは4つの専門領域に進んで学びを深め、ITの最先端分野を切り拓くスペシャリストをめざします。
1、2年次に学ぶ科目には、ソフトウェアを学ぶ上で不可欠な基幹科目群と、希望する専門領域で将来に役立つ発展科目群、さらに重点的に力を入れる重点基礎科目群を用意しています。特にプログラミング力に力を入れています。3年次になると、アプリケーション開発、ネットワーク、モバイルシステム、ゲーム・コンテンツの4つの専門領域に分かれ学びを深めます。そして4年次には卒業研究で、4年間の成果を具体的にまとめます。その他にも脳科学などの世界最先端の研究に挑戦したり、中学校・高等学校教員免許(数学・情報)の取得や、ビジネスシーンで求められるマネジメント力やプレゼンテーション力、またコミュニケーション力を養うなど、将来の希望に合わせたカリキュラム構成が可能です。
Point
01
ゲーム・コンテンツ関連、モバイルシステム・ネットワーク、コンピュータ・ソフトウェア、情報・数学教員の4領域を学び、スペシャリストとしての即戦力を養います。
Point
02
プログラミング言語を自在に使う能力を修得するプログラミングⅠ・Ⅱを軸に、充実した重点基礎科目群で基礎力を培います。
Point
03
中学校・高等学校教諭1種免許状(数学)にくわえ、高等学校教諭1種免許状(情報)の取得も同時に可能です。該当する科目の効率的な履修が必要です。
ゲーム・コンテンツ関連
ゲームの制作技術とともにコンテンツ制作のための科目を複数用意。ゲーム開発は統合開発環境Unityのもとで3Dゲーム制作のプログラミング技術を学びます。STREAM Hall 2019にある学科専用の演習室「プログラミングラボ」が利用できます。
モバイルシステム・ネットワーク
携帯端末に関する技術(モバイルシステム技術)を総合的に学べる全国でも数少ない学科です。スマートフォンなどのモバイル機器のハードウェア技術や通信方式の性能を評価する理論体系、さらにはモバイルアプリケーションの制作技術などを基礎から最先端まで修得。ネットワークやセキュリティについても学びます。
コンピュータ・ソフトウェア
プログラミングは、自分のコンピュータ上でやりたいことを実現するためのソフトウェア開発の基礎です。「アルゴリズムとデータ構造」など多数の科目があります。また、所定単位を取得すれば基本情報技術者試験の午前試験が免除されます。学修には自分専用のノートパソコンを用いて先端技術を修得します。
情報・数学教員
所定の科目単位を取得することにより、教員免許状を取得することができます。中学校教諭1種免許状(数学)、高等学校教諭1種免許状(数学)、高等学校教諭1種免許状(情報)のみならず、ダブル免許プログラムにて小学校の2種免許状も取得することができます。
※教職課程およびダブル免許プログラムの受講にあたっては、一定の条件があります。
Java言語を使ったプログラミングを基礎から学びます。これによってオブジェクト指向プログラミングを学修する「プログラミングⅡ」へとつながり、他のプログラミング言語も自在に扱える能力の修得をめざします。
コンピュータゲームの開発で基本となるアルゴリズム、およびプログラミング技術について理解を深めます。3Dグラフィックスや物理シミュレーション、ライティングについても知識を獲得します。
履修状況により、取得可能な資格が異なります。
※ 「ダブル免許プログラム」受講により取得可能。受講の際は入学後一定の要件を充足することが必要です。また受講には別途費用がかかります。
※小学校教諭2種免許状を取得するには別途、履習条件があります。
ソフトウェアサイエンス学科は、アプリケーション開発、モバイルシステム、ゲーム・コンテンツ、ネットワークと、学科の根幹となる学びを徹底的に学びます。その他、英語力、マネジメント、ブレインサイエンスなど、IT関連以外の科目も充実していることが特徴です。
特長
01
ITに限らず、最先端分野の文献や最新トピックスの表記は英語。また、プログラムのエラー表示や、研究者間のコミュニケーションにも英語が用いられています。本学では、1年次から英語のみの授業も行いリーディング力やスピーキング力を養成。エンジニアとして「使いこなすことができる英語」の修得に力を入れています。
特長
02
ソフトやアプリケーションを制作するためには、ビジネスシーンに関する幅広い知識が必要です。本学科では、実際に戦略決定を行って会社経営について学ぶ、必修科目「ビジネスゲーム」をはじめ、経営情報分析やマーケティングを対象としたマネジメントの科目を多く開講。ビジネスの仕組みやマネジメントへの理解を深めることができます。
特長
03
「究極の情報処理システム」といわれるのが人間の脳です。本学科では、脳の情報処理システムの仕組みの解明に取り組む教授が在籍しており、2年次は脳科学の基礎、3年次は神経回路網の振る舞いをシミュレーションしてその特性を考察する授業を用意。こうした脳科学の知識は、新しいアプリケーションの開発のヒントや、4年次の卒業研究のテーマにつながります。
本学科では、専門分野に関連する資格の取得を強く奨励しています。そのために必要な知識や技術は専門科目の授業の中で学ぶことができ、授業以外にも資格取得対策の講座を開設するなど、バックアップ体制を整えています。MCPCモバイルシステム技術検定2級では、国内の大学で最多の合格者を出しており、モバイル関連の就職につながっています。
ビジネスの現場で生じるさまざまな事象を知るため、本学科では企業の協力のもと企業提携講座を開講。多種多様な業界・企業から講師を招き、企業が携わっているIT関連事業について、現場で必要とされる最新技術やコンテンツなど生きた知識とスキルを学べる貴重な機会となっています。また「企業講義」でも日立製作所から毎回講師を派遣していただき講義を行っています。
研究室Pick Up
コンピュータをいかに使いやすいものにするかを、視覚という観点から取り組むのが、ビジュアルインタフェース研究室。またコンピュータの操作入力向上などのアイデア実現や、グループワーク向けのシステムなども手掛けています。
ユーザーインタフェース、すなわち人がより使いやすいコンピュータの仕組みについての研究を行っています。研究室の名前となっているビジュアルインタフェースとは、主に画面に表示されるビジュアル面でのユーザーインタフェースを追究するもの。情報の可視化(Information Visualization)とも言いますが、情報をグラフや地図などのわかりやすいビジュアルにして表示することから始まり、現在はコンピュータグラフィック技術などを利用しています。例えば『納豆ビュー』と呼んでいるものは、さまざまな情報フォルダが画面に表示され、必要なひとつのフォルダをつまみ上げると、その関連した情報が糸を引くようについてくるというもの。粘る糸でつながるように見えることからこの名前をつけました。この延長で、企業の特許共同出願情報から、企業関係の相関図が可視化してわかるようなものも制作しています。
また、コンピュータを操作するにはキーボードやマウス、画面のタッチ&スライドなどが使われていますが、それから脱却する、新しいユーザーインタフェースの研究も行っています。例えば、手のジェスチャーで操作する机型コンピュータなどです。最近はKinectセンサやLeapMotionなどのデバイスが普及してきたため、こういったデバイスをどのような使い方に応用できるのかなどにも取り組んでいます。さらに、共同作業を支援するようなネットワークを利用したアプリケーションや、他人とのパソコン画面共有を支援するようなシステムも手掛けています。
学生には、できるだけ個々が興味・関心を持ってテーマに取り組めるようにフォローし、それぞれの長所を伸ばすような指導を心掛けています。
塩澤 秀和教授
慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。博士(工学[慶應義塾大学])。玉川大学工学部ソフトウェアサイエンス学科教授。慶應義塾大学経済学部非常勤講師、東京電機大学理工学部助手、玉川大学工学部専任講師、准教授を経て現職。
ビジュアルインタフェースと表現や技術が共通していることから、塩澤先生はゲームプログラミング研究会も開いています。ゲームのために必要なプログラミングやCG技術などを基礎から学ぶことができ、ソフトウェアサイエンス学科以外の学生も参加することが可能です。制作したゲームは、大学で開催されるオリジナルゲームのコンテストに出品するなど、実践的な取り組みになっています。
工学部 ソフトウェアサイエンス学科 ビジュアルインタフェース研究室4年
佐藤 ひなのさん
もともとゲームが好きで、ゲーム制作の裏側に興味を持ち、プログラミングやゲーム関連のカリキュラムが充実しているソフトウェアサイエンス学科を志望しました。プログラミングは入学してから初めて学んだので不安もありましたが、少人数制で細やかに教えていただけるので、基礎からしっかりと身につけることができました。また、ゲームコンテンツやシナリオなど、いい意味で工学部らしくない講義を聴けるのも魅力だと思います。
勉強していくうちに、システム開発やインタフェースなどにも興味が広がってきました。特にスマートフォンのアプリなどに興味を持ち、スマートウォッチのインタフェース研究も手掛けているこの研究室に飛び込みました。現在は、画面が小さいスマートウォッチを外側から磁石で操作するインタフェースの開発に参加しています。現代社会はITが基盤となっていますので、将来はそんな社会を支えるシステムエンジニアをめざしたいと思っています。
※取材当時