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実践的物理学教育、知的財産権教育

材料メーカー研究員、財団法人研究員、特殊法人職員、高等専門学校教員、大学教員などの経歴を重ねるに伴い、材料開発以外にも知的財産権(特に特許権)教育や技術者教育、さらには科学教育・物理学教育に関する様々な活動に携わるようになり、それが新たな研究分野のひとつになりました。所属する「公益社団法人応用物理学会」や独自の主催で、小学生の子供たちを対象とした理科教室を年に数回開催し、社会貢献にも取り組んでいます。また、社会科学の研究者と共同で、知的財産を基盤とする創造性発揮可能な技術者教育プログラム開発や、技術者の倫理教育、その他社会科学に関する研究などにも取り組んできました。授業では物理学や物理学実験、初歩的な科学などの基礎科目を担当しています。

高温超伝導材料開発

“単結晶”の育成による「高温超伝導」材料の特性について研究を行ってきました。超伝導の主な特徴は、極低温(最初の発見は-269℃)で電気抵抗がゼロになることです。1911年に初めて知られた現象ですが、1987年に発見された高温超伝導材料は比較的高温(それでも-230~-120℃)で超伝導を発現するもので、液体窒素温度(-196℃)以上での損失のない送電やエネルギー貯蔵など、エネルギーの効率的な利用に関して非常に優れています。また大電流を流せるため高い磁場を発生するのに有利で、MRI(磁気共鳴画像診断装置)やリニアモーターカーなどの高磁場が必要な装置への応用も注目されています。

酸化物イオン伝導体を電解質とする燃料電池開発

“単結晶”や“材料物性”の研究の一環として、クリーンエネルギー源として知られる「燃料電池」用電解質材料の研究にも取り組んでいます。“単結晶”とは原子が大きなサイズで整列した状態です。原子の整列の仕方には方向性があり、それぞれの方向固有の物性を顕著に発揮させることができるので、燃料電池の心臓部である電解質に単結晶を使うことで、より発電効率を向上させることができる可能性があります。現在注目しているのは電解質がセラミックスでできている「固体酸化物型燃料電池」です。セラミックスの形態や構成元素の組成がどのような状態の時により良好なイオン伝導性を示すかということに研究対象をおいています。