研究のキーワード
ハイブリッド・ソーラーカー
金属空気電池
燃料電池
電気エネルギー教育
研究室Webサイトはこちら

持続可能な環境の実現を目指して、クリーンエネルギーの実用技術の開発を目指した全学的なプロジェクトTSCPとして、環境エンジニアリング研究室(小原宏之教授)と共に太陽電池と燃料電池を組み合わせた「ハイブリッド・ソーラーカー」の研究・開発に取り組んでいます。
持続可能なエネルギー環境の実現には再生可能エネルギーの有効利用が不可欠です。太陽電池や風力、波力など自然エネルギーによって電気エネルギーを作り出すことができますが、その電気エネルギーの貯蔵や輸送にはインフラの整備などもあわせて多くの課題が残されています。電力需要地では燃料電池を使うことでエネルギーキャリアから発電することができるので、人の生活の場として利用されていない洋上や山中などで再生可能エネルギーによって発電し、その電気エネルギーを取り扱いしやすい別の形に変換することで貯蔵や輸送を容易にする方法が広く研究されています。
TSCPではバイオマスによる水素発酵の研究を進めるとともにエネルギーキャリアとして炭化水素(液体燃料)を生成することに挑戦しています。また、並行してマグネシウム空気電池を導入し、太陽電池とマグネシウム空気電池を組み合わせたシステムを開発してそのシステムを搭載したハイブリッド・ソーラーカーの走行を成功させました。現在、本研究室ではこのマグネシウム空気電池の出力改善のための基礎研究を始めています。マグネシウム空気電池は次世代電池として位置付けられている金属空気電池のひとつで、負極に使用されるマグネシウムは資源が豊富であるとともに使用後の再生可能エネルギーによる再生技術も研究されており、資源の循環利用が期待されています。

玉川サスティナブルケムカープロジェクトTSCP

「玉川ソーラーチャレンジプロジェクト」TSCPとして始まり、太陽エネルギーの利用技術の開発・研究を目的にソーラーカーを開発して国内外の競技大会で優秀な成績を収めてきました。その開発力を生かして太陽電池と燃料電池を組み合わせたハイブリッド・ソーラーカーを開発し、オーストラリア大陸4000km横断やWorld Green Challenge, JISFCの燃料電池部門で9連覇を達成してきました。現在は実用性を目指した二人乗り車両を製作してこれを実験プラットホームとしてハイブリッドシステムの研究に取り組んでいます。
学内には車両開発のための工房があり、CFRPなど先進材料を用いた車両製作を行っています。実践的なものづくりを通じての教育の場であり、研究室内での研究だけでなく実際のフィールドで車両を動かしてその成果を研究にフィードバックしています。

電気エネルギー教育教材

電気は目に見えないエネルギーであるため実感が伴わず、学習初期には理解が難しいことがあります。そこで電気エネルギーを体験することで理解の手助けすることができる、ものづくり教育と電気エネルギー教育を融合させた教材について研究しています。