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私たちの研究室が取り組んでいるのは「管理会計」です。例えば、ファミリーレストランのドリンクバーを管理会計で考えるとおもしろいと思います。ファミリーレストランというのはそもそも、料理やケーキを売って利益を稼ぐ業態ですから、コーヒーなどのドリンクは「損さえしなければいい」程度のものです。この「損」が発生しないポイントを数字的に分析することで、ドリンクバーというアイデアが浮かび、ビジネスモデルとして成立するのです。

では、具体的にドリンクバーの原価を見てみましょう。まずドリンクバーはセルフサービスなので人件費がほとんどかかっていません。土地や建物は、元々食事をとるために作られた建物を使うだけなのでこれもかからないと考えることができます。こういった状況を計算式にすると、ドリンクバーの損益分岐点は、ひとりあたりコーヒー3杯程度と算出されます。ドリンクバーで4杯以上おかわりをする人はそうはいませんし、なかには1杯か2杯で済ませるお客さんもいますから、損にはなりません。

…という具合に、例えば原価を現実的に分析するだけでもいろいろな仕組みが見えてきます。つまり管理会計というのは、「経営に役立つ会計情報」のことです。会計士や税理士が扱う一般的な会計とは違い、決まったフォーマットなどがありませんから、マーケティングや経営戦略、生産管理など、「経営」についての広い知識をベースに、いかにその企業、その経営者の「戦力」となる情報を提供できるか、ということがポイントになります。