研究のキーワード
FPGA
ディジタル回路
深層学習
ホームサービスロボット
異常検知

研究テーマ

高い性能を実現しながら低消費電力に動作できるようなコンピュータシステムの研究を行っています。具体的には、Field programmable gate array(FPGA)と呼ばれるディジタル回路をプログラミングできるデバイスに深層学習などを効率よく実装し、高速かつ低消費電力で柔軟なシステムを実現する研究を行っています。特にロボット向けの知的処理の実現や画像による産業用異常検知などを取り扱っています。

深層学習は画像認識の成功に始まり、近年では大規模言語モデルを活用したチャットサービスなども登場し、AIという単語を巷でもよく聞くようになりました。深層ニューラルネットワークは画像認識、画像生成、自然言語処理など多岐にわたる分野で高い性能を示し、さまざまなアプリケーションに活用されています。しかし、これらを実現するためには非常に多くの計算資源を必要とし、その需要は増加の一途を辿っています。それに従い、消費電力や発熱の増加が大規模なデータセンターや小型の組込み機器など問わず、解決すべき問題の一つとなっています。FPGAは特定のアプリケーションの計算処理に特化した専用の回路を設計し、実現することのできるデバイスで、消費電力あたりの性能が非常に高いシステムを構築することが可能です。特に、ロボットなどの組込みシステムではインターネットを使わず、オフラインのデバイス上で処理を実現させることや、消費電力を低く抑えることでバッテリーによる駆動時間を延ばせるなどのメリットが考えられます。また、産業用途でも高速な処理が求められる分野などではその活用が研究されています。

FPGAによるディジタル回路実装の研究を通して、計算資源を有効に活用する高効率なシステムの構築を目指すとともに、 FPGAの再構成可能な特徴を活かしたシステムの研究をしていきます。

研究室活動

研究室では深層学習プログラミングやディジタル回路の知識を学び、計算を実行するコンピュータの視点から研究を進めています。また、普段の研究室の活動以外に、 ロボカップ@ホームと呼ばれるホームサービスロボットの性能を競う競技会にも参加しています。机上の実験だけではなく、実際にロボットを動かすことで、より具体的な研究成果の活用方法を考えることができます。また、他大学や他機関の学生、研究者とのコミュニティを広げる貴重な機会となっています。このような活動を通して、研究室で培われた技術や、高速かつ低消費電力の計算処理を実現できるFPGAの強みを活かしたシステムの研究を進め、積極的に外部にアウトプットしていきます。