研究のキーワード
知能ロボティクス
生活支援ロボット
ヒューマンロボットインタラクション
仮想現実感(VR)
人工知能
ロボカップ@ホーム

家庭や飲食店などの日常生活環境において人間と意思疎通を取りながら支援・協調作業を行うロボットの実現を目指して研究に取り組んでいます。最近では、お掃除ロボットを利用している家庭も一般的になっており、店頭などでロボットを見かける機会も多くなっています。しかしながら、多様な物体が存在し、部屋のレイアウトも煩雑な日常生活環境で、ロボットが自身で状況を判断しながら、自律的に動作する技術は発展途上にあります。さらに、日常生活環境で利用されるロボットが人間と協調して作業したり、気の利いたサービスを提供したりするためには、円滑なコミュニケーションを取れることが必要となります。例えば、人間の行動からその意図を予測したり、言葉やジェスチャを介してユーザに分かりやすく情報を伝達したりできることが求められますが、そのような対話機能の実現には多くの課題があります。その一つが、対話行動データの収集や分析を目的とした実験の難しさです。人間のリアクションは周囲の状況や主観に大きく依存するため、様々な状況や被験者を対象とした実験を通して、対話行動データを収集し、分析や評価を行う必要があります。しかしながら、そのような対話実験では、実験環境の物理的な構築やロボットを常に動かし続けるための維持管理におけるコストの高さ、対話行動データの計測の難しさなどが大きな問題となります。その解決方法の一つとして、仮想現実感技術を活用した実験プラットフォームを開発してきました。これは、人間がヘッドマウントディスプレイなどを介してログインした仮想空間内のアバターと仮想ロボットとの対話を通して、効率的な対話行動データの収集を可能とするものです。得られた対話行動データを活用することで、効果的な対話戦略を探るために必要な対話の質の評価基準の策定方法など、日常生活環境で人間と関わるロボットの対話機能の実現に向けて研究を進めています。

研究室内に留まらず、「玉川ロボットチャレンジプロジェクト」にも参加し、対外的な活動にも取り組んでいます。ロボカップ@ホームなどのロボット競技会への参加を通して、通常の学生生活では機会の少ない国内外の大学や研究機関のメンバーと接する機会も多くあります。また、学部1年生から大学院生、教員までが協力しながら、国内外でも有数の機材、実験フィールドを活用した開発・研究に取り組んでおり、生きた知識や問題解決能力などを身につける様々な経験が可能となっています。