研究のキーワード
数学一般
基礎解析学
教員養成
教材開発
大偏差原理
情報量

私の数学者としての研究対象は「大偏差原理」。これは、関数解析をベースとした確率学と解析学の中間的な分野です。

現在、私がとくに重点を置いているのは「数学教育のための数学」です。マネジメントサイエンス学科には、数学教員を目指す学生たちも多く入学してきますので、教師に必要な「論理的な発表能力」を育てるということが、私の今のミッションだと思っているからです。ですから、ゼミの学生に対しては「どういう授業を作ったらいいのか」というようなことにも取り組ませています。例えば今年は、「コンピュータを“有効に”使った数学教育」というテーマを取り上げた学生がいます。コンピュータをどう使うと、小中学校や高校の数学の授業が楽しく、興味深いものにできるかという研究です。また、昔からの「電卓が数学の教育現場に入っていいのか」というようなこともテーマになりますね。コンピュータを使うと「計算力が落ちる」という見方ができる一方で、「果たして複雑な因数分解を自分で計算する必要があるのか」というような見方もできます。実学としての数学で重要なのは、解を出すプロセスや出た解の意味を吟味することなので、肯定するわけではありませんが「計算なんてコンピュータにやらせてもいい」のでは、という考え方もあるのです。

実技的な数学の能力ということだけでは、教師にはなれません。「なぜそうなっているのか」という論理的な面を理解し、伝えなければならないからです。その点、“教育の玉川”には人間性を育てられる環境がありますし、マネジメントサイエンス学科には、プレゼンテーションやコミュニケーション能力を伸ばす環境があります。