研究のキーワード
意思決定
コミュニケーション
情報分析学
心理統計学
行動経済学
認知科学
ヒューマン・ダイナミクス
ネットワーク分析

私達人間は、ふと気づけばとても非合理的な行動を日常的に取っています。パッケージのデザインがほんの少し変わっただけの『限定商品』に飛びついたり、専門店の店員さんの説明よりもネットの匿名の口コミを信用してしまったり、トイレットペーパーの買い占めもなかなか衝撃的な出来事でした。

実験心理学と経済学が組み合わさって発展した行動経済学は、ヒトの判断(意思決定)の多くが主観的に歪んだ認識に基づいていること、そして他人の影響をとても受けやすいことなどを明らかにしてきました。こうしたヒトのココロの特性を理解しておくことは、より良いサービスやデザインを考えたり、円滑なコミュニケーションを実現したりする上で非常に有用だと私は考えます。経営や管理を学びたい方にも、教育に関心がある方にも「人間の行動原理」に是非興味をもっていただきたいです。

私の研究テーマは、一見非合理的にみえる意思決定の背後にある、潜在的な認知メカニズムの理解とモデル化です。そのときにとても重要なのが「いかにして価値ある情報を見出すか」という問題、つまりデータ分析です。視線計測やモーションキャプチャ・脳活動計測など様々な方法で取得された無意識的な挙動のデータや、SNSや口コミサイトの発信ログなど、分析対象は膨大です。それらを適切に統計処理し、人工知能(AI)技術などを駆使してデータの本質を探索していくーーこのような能力はビジネスでも広く求められています。問題解決のためのスキルを持った人材の育成が、私の教育の目標です。

また、勉強や研究の成果などをいかに正確にわかりやすく、聴き手に興味をもってもらえるようにプレゼンできるかも重要です。『美しい』発表・報告ができるようにアウトプット・プロセスの教育・指導にも注力していきたいと思います。