
企業や行政、地域組織、市民など、多様な主体が関わる現代社会では、一つの組織だけで課題を解決することが難しくなっています。そのため、異なる立場の人びとがどのように目標を共有し、協働の仕組みをつくり、持続的な価値創出につなげていくのかを考えることが重要になっています。私の研究では、こうした課題を、経営学、行政、マーケティング、コミュニティマネジメントの視点から捉えています。
近年は、企業経営においても、地域づくりや公共的な事業においても、効率性や経済性だけを追求するのではなく、人々の参加や関与、信頼関係、地域のつながりといった側面まで含めてマネジメントを考える必要があります。私は特に、多様な主体の関係形成、参加の促進、成果の可視化に関心を持ち、協働がどのように成立し、どのような価値を生み出しているのかを明らかにしたいと考えています。
具体的には、地方におけるスポーツクラブやスタジアム運営を題材の一つとして、クラブ、行政、企業、住民などの多様な主体が関わる実践を分析しています。そこでは、売上や来場者数のような定量的な成果だけではなく、参加の促進、交流機会の創出、地域への関与の拡大といった、目に見えにくい価値にも注目しています。こうした価値を丁寧に捉えることで、公共性をもつ事業や地域に根ざした活動の評価のあり方を考えることも、研究の重要な目的です。
現場で起きていることを丁寧に読み解きながら、協働型のマネジメントや価値共創のあり方を考え、社会の課題解決に役立つ知見につなげていきたいと考えています。
ゼミでは、経営学、マーケティング、マネジメントに関する基礎的な考え方を学びながら、実際の現場に即して課題を捉え、考え、提案する活動に取り組みます。文献講読や事例分析を通じて理論を学ぶだけでなく、企業、行政、地域、スポーツなどの現場を対象に、フィールドワークや見学、ヒアリングなどの実践的な学びも重視します。
また、現場で起きている課題を自分の言葉で整理し、グループで議論し、発表する機会を多く設けることで、分析力、構想力、コミュニケーション力を養います。ゼミ活動を通じて、単なる知識の習得にとどまらず、多様な主体と関わりながら課題解決に取り組む力を育てていきます。