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臨床心理学ゼミ:福島県川内村遠藤きのこ園を見学させていただきました!

2022.09.12

8月30日、ゼミ研修の一環として福島県川内村にある遠藤きのこ園を見学させていただきました。遠藤きのこ園は、平成17年に創業され、施設栽培によって菌床椎茸を中心とした生産を行い、地元直売所などで販売しています。現在は、遠藤きのこ園 代表取締役 遠藤雄夫様とご両親、川村内のスタッフ、ベトナムからの外国人技能実習生5名の計12名体制で、椎茸、キクラゲなどを栽培しています。


今回お話をしていただいた遠藤きのこ園 代表取締役 遠藤雄夫様は、震災後 遠藤きのこ園を継ぐために、それまで勤めていた川内村役場を退職し、2016年4月に就農されました。遠藤雄夫様より、震災後に遠藤きのこ園を継ぎ、きのこ栽培を再開した経緯、椎茸栽培の工程、震災後風評被害に苦しんだ経験や風評被害を打開するための努力、復興への強い想いなどの貴重なお話を聴くことができました。

お話の中で、特に風評被害を打開するために行われている取り組みについてのお話が印象的でした。椎茸栽培は、菌床づくり→接種→培養→発生→収穫→出荷→廃棄 と複数の工程があり、1サイクルに10~12か月かかるそうです。しかし、このように大切に栽培した椎茸も、震災前の福島県産椎茸に比べると震災後に栽培したものは低い価格で取引が行われてしまうそうです。そのような状態を打開するため、遠藤きのこ園では、消費者に美味しさと安心を届けようと、菌床の原料となる納品されたおがくず、遠藤きのこ園で作った菌床、菌床に発生した椎茸、最後に収穫・選別後の出荷時に検査を実施し、震災後、新たに空調施設を備えた大型ハウス3棟を建設するなど、震災前よりも規模拡大しながら経営基盤の強化が図られたり、椎茸のブランド化を行ったりと、震災前の遠藤きのこ園に戻すだけではなく、さらに新たな挑戦が行われていました。このように復興に向けて前を向き、風評被害を打開するための努力や挑戦を行うことで、震災前に比べよりよい椎茸を消費者に届けようと努力されていることがわかりました。

様々なお話を聴き、複数の施設を見学させていただいた後は、実際に椎茸を収穫させていただき、お土産として椎茸をいただきました。お土産にいただいた椎茸は夕飯で焼き椎茸としていただきました。たくさんの愛情をかけて作られた『ひたむき椎茸』は、大きく肉厚な身とジューシーさに加え、薫り高くすごく美味しい椎茸でした。

原発事故後、福島県産品の取引中止や価格の大幅な下落、菌床の廃棄処分などの大きな被害に遭ったことを知りました。それらの影響は未だに完全には払拭されていませんが、震災から約11年を経た今、私たちが研修で訪れた遠藤きのこ園には、約20万の菌床が広がっており、復興に向けた力強さを感じました。私たちのゼミでは、福島県双葉郡川内村産の食材を使ったオリジナルメニューを学生食堂にて学生・教職員を対象に限定販売する学食コラボという企画を行います。微力ではありますが、学食コラボを通して、今回のゼミ研修で学んだ正確な情報を発信し、風評の払拭と福島県産の食材の美味しさなどの魅力を多くの人に伝えていきたいと思いました。

(臨床心理ゼミ:坂本ゆい、根岸幸太朗)

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