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2022年度 教育力育成プロジェクト受賞作品

2023.04.14

教育学部では「教育力育成プロジェクト」として学生参加型のコンテストを毎年実施しております。2022年度の受賞者、受賞ゼミは以下の通りです。

【最優秀賞】
 鶴薗柚月さん(石川ゼミ) テーマ:「傾聴」

【優秀賞】
〔個別エントリー〕菅野美咲さん(樋口ゼミ)
         飯塚彩乃さん(中村ゼミ)
         石井未夢さん(山田深雪ゼミ)
〔ゼミエントリー〕石井ゼミ(ゼミエントリー)
         岩田ゼミ(ゼミエントリー)

以下では、ピクトグラムの説明文と共に2022年度の受賞作品をご紹介致します。

注)ピクトグラムの説明文は、原文のまま掲載させていただきます。

【最優秀賞】鶴薗柚月さん(石川ゼミ) テーマ:「傾聴」


最優秀賞作品:鶴薗柚月さん(石川ゼミ) の作品「傾聴」

現在、AI の発達等による予測困難な時代に突入し、豊かな人間性を育むことが求められている。豊かな人間性を育むには、コミュニケーション能力の育成が必要となってくる。そこで私は、傾聴力を育てることによるコミュニケーション能力の育成に可能性を見出した。

傾聴という言葉は、漢字から「目と耳と心を傾けて話を聞く」と捉えることができる。自分の意見を発言、発表する力も確かに必要だが、相手の伝えたいことを理解しようとする力はコミュニケーションを行うにあたって最も重要なことなのではないかと考えた。人を引っ張る力や、前に出る力の育成ばかりではなく、フォロワーの力、つまり「支えよう」「助けよう」という力も教育では欠かせない。私はそんな力も、この傾聴という行為により育成できると考えている。

相手の伝えたいことをできる限りくみ取ろうとするためには、耳だけでなく、表情や感情といった目や心からの情報も見落としてはならない。心をも傾ける傾聴を意識することで、自ずと相手の意見を受け入れる力が付いていく。私はピクトグラムの作成で、目と耳と心で聞く「傾聴」を意識したピクトグラムを作成した。「話を聞こう」と伝えるだけではなく、「目と耳と心で話を聞こう」と日々伝えることで子どものコミュニケーション能力の育成に繋がるのではないだろうか。こんなピクトグラムが日常的に教育の現場で使用され、子どもの「聴く力」をさらに伸ばすことができたら嬉しい限りだ。

【優秀賞】

個別エントリー

菅野美咲さん(樋口ゼミ)


菅野美咲さん(樋口ゼミ)の作品

これは、アレルギーがあることを示すピクトグラムです。アレルギーの対象となるものを避けたいという意味で、手を伸ばして止めていたり、食べられないという意味で口が×になっていたり、アレルギーは命に関わるということを示すためにハートにイナズマが通っているイラストを描きました。左下のスペースには、牛乳やピーナッツなど、その人が持つアレルギーの対象物を描くスペースを作り、汎用性の高いピクトグラムにしました。

小・中学校における給食の時間のアレルギー事故として考えられるのは、児童生徒のアレルギーを把握している担任が不在であった場合に別の教員が知らずに食べさせてしまうという場合や、「好き嫌いだ」と周りの児童生徒に責められ、アレルギーを持つ本人が自分から食べてしまったりする場合などです。様々な状況による学校でのアレルギー事故を防ぐために、このピクトグラムはアレルギーによる命の危険性やその人の持つアレルギーの対象物は何かを、誰でも一目見ただけで分かるよう、シンプルかつメッセージ性の強いイラストにしました。

飯塚彩乃さん(中村ゼミ)


飯塚彩乃さん(中村ゼミ)の作品:
静かにしよう

学校には、静かにするべき場所が存在する。例えば、図書室や保健室である。「図書室では静かにしてください」という教師の声かけを作成者自身、何回も耳にしてきた。大声を出したり騒いだりすることは、本を読んだり学習をしたりしている周りの児童生徒に対して迷惑な行為になる。また、「保健室の前では静かにしてください」という声かけも聞いたことがある。体調が悪くて寝ている児童生徒を起こさないようにであったり、学校に後ろ向きな児童が静かに学習をする場所になったりするため、保健室の前で騒ぐことも迷惑な行為にあたる。そこで、教師から毎回声かけをするよりも、児童生徒が自ら「周りの人を思いやって静かにしよう」と気付いた方が、自律力・社会力につながると考えた。

ハートの形を使用した理由としては、周りの人を思いやる気持ちを持ってほしいという願いが込められている。図書室だから静かにしようとするのではなく、自分の周りの人のことを考えて自ら静かにしようという気持ちの面を強調している。また、2つのハートを向きあわせることでお互いに声を掛け合っていこうとする姿をイメージした。ハートの色をオレンジと紫にすることで、ハートに定番の赤やピンクといった配色を避け、オリジナリティを出した。さらに海外において、紫には「あなたは優しい」という意味があるため、この色を使用した。

石井未夢さん(山田深雪ゼミ)


石井未夢さん(山田深雪ゼミ)の作品:
「私」だらけの道

日々の生活の中で、周りには子どもの前を歩く大人や教師、同級生がたくさんいると思います。周りと違う自分に対して「置いていかれちゃう。」「追いつかなきゃ。」と焦りを感じながら過ごす子どもに、「わたし」だけの道を進んでほしいという願いを込めて、このピクトグラムを作成しました。

目まぐるしく変化する先も見えない不安定な現代社会を間隔の開いた不安定な道で表しました。その道を先に進んでいく前の人は、家族かもしれないし、憧れの有名人かもしれない。人によって感じ方が異なると思います。その人に向かって歩いていく中で、自分だけの道をどこかで見つけ、他の誰でもない「わたし」を育てていく教室を作りたいという思いが込められています。

家庭や子ども自身の多様化が進む今だからこそ、ひとりひとりが違っていいという多様性の認め合いにもつながると考えています。

私はこのピクトグラムで、子どもたち自身が他の誰でもない「わたし」を大切にするための支援をしたいです。

ゼミエントリー

石井ゼミ


石井ゼミ作品:換気をしよう!

このピクトグラムは「換気をしよう!」ということを示したものです。教室内外問わず、廊下の窓など学校中で使用できます。

コロナ禍の影響もありますが、冬場や風邪が流行る時期に換気は重要です。誰でも気づいた人が窓を開けるようにという意味を込めて人を書きました。?色には指示・用心の意味があります。

岩田ゼミ


岩田ゼミ作品:手を洗おう!

コロナに関連して、子どもにもわかりやすいピクトグラムを作ってみたいと考えました。マスクをする、手を洗うなどいくつか考えてみましたが、結果として、コロナが落ち着いても、そのほかの感染症等の対策を考えて必要だと思われる「手を洗おう?」のピクトグラムに決定しました。

「手を洗う」ことの意味が、子どもにも伝わるように、バイキンがいなくなることを視覚的にあらわしてみました。水道の近くに貼ったり、手を洗うタイミングで絵カードに ようにして見せたりと、子どもにも「手を洗うこと」の大切さが伝わるとよいな、と思います。

インターネットには様々なわかりやすいデザインがあり、デザインをすることの難しさも感じると同時に、絵で伝わるということで、子どもにも伝えやすい手段でもあるとも感じました。これから、街の中、保育の場で、絵での表現、ピクトグラムにも注目してみていきたいと思います。

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