臨床心理学ゼミ:ゼミ研修2日目その1! 川内村の各所を訪問・見学しました!
2024.09.03
ゼミ研修の2日目となる8月21日、川内村蒸溜所、天山文庫、遠藤きのこ園、かわうちワイナリーなどを見学しました。
天山文庫-
まず、川内村にあるクラフト・ジンの蒸溜所、“naturadistill” を見学させていただきました。代表の大島草太さんは福島大学の学生の頃、カナダで暮らすなか、海外の福島への負のイメージについて実感したそうです。その後は、キッチンカーで全国を回ったり、ハーブティーのブランドを立ち上げたそうです。そんな大島さんがクラフト・ジンを作ることになったのは、ジンが「飲む香水」と呼ばれるように、土地の香りをお酒に込めて、離れた場所に届けられるからです。
1階の蒸溜所だけでなく、2階のバーに至るまで、さまざまなこだわりがあり、その想いに私たち学生も大きな刺激を受けました。蒸溜所が完成してお酒が川内と世界をつなげる未来がとても楽しみになりました。続いて天山文庫を見学しました。この文庫は村民の手によって建てられたことが特徴です。詩人草野心平が川内村の自然に心を打たれ、訪問するようになったことに対し、村は名誉村民に任命し、褒賞を送りました。そのお礼に、蔵書を村に寄贈し、文庫の建設が行われました。
私たちが訪れた8月21日は福島県民の日として無料開放しており、中を見学することができました。蔵書の数々と、立派な建物を見て、当時の村民との繋がりに思いを馳せることができました。遠藤きのこ園を訪問しました。遠藤きのこ園は昭和47年頃から椎茸栽培を始められ、平成17年より会社としてきのこ類の生産・販売をなさっています。今回お話をしていただいた遠藤雄夫さんは、震災後、川内村役場を退職し、遠藤きのこ園に入社し、家業を継がれました。遠藤さんより、椎茸の栽培方法や、震災によって受けた影響、再開への動きなど、貴重な話を伺うことができました。
特に震災によって、菌床を廃棄しなければならず、再開後も風評被害、価格の低下に悩まされたというお話が印象的でした。現在は、肉厚で軸の太い特徴を生かし、「ひたむき椎茸」というオリジナルブランドの生産・販売をすすめておられます。
また、見学の最後には、椎茸の収穫を体験させていただいたほか、お土産に生きくらげもいただきました。おすすめの食べ方も教えてくださりました。椎茸は肉厚でとても美味しく、きくらげは乾燥のものとはまた違った食感で美味しかったです。
原田ゼミでは川内村の食材を使ったメニューを大学の食堂で提供する、学食コラボという企画を行ってます。正確な情報や食材の魅力などを発信することで、風評の払拭などの発信を継続したいとの思いを強くしました。
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川内村蒸溜所 “naturadistill” 代表 大島草太さん -
遠藤きのこ園
かわうちワイナリー 統括マネージャー 遠藤一美さん-
最後にかわうちワイナリーを見学しました。ワインづくりは、2015年に日本葡萄酒革進協会から、川内村に対してワイン用のブドウづくりの提案があったことがきっかけです。圃場が選定され、ぶどうの栽培が始まりました。2017年には、かわうちワイン株式会社が設立され、2021年秋から醸造が始まっています。
統括マネージャーの遠藤一美さんから、ワインづくりや、かわうちワインの特徴についてお話をいただきました。ラベルには村の花サラサドウダン、村の木モミ、村の鳥ウグイスがデザインされているほか、コルクにはカエルとトンボが描かれています。
かわうちワイナリーでは試飲をさせて頂きました。白ワインの試飲体験をさせて頂いたのですが、今まで飲んだワインよりも味が飲みやすくとても美味しかったです。とても輝いていて、透き通るような透明感がありました。銅賞を受賞された赤ワインを購入しました。
この4か所を見学させて頂いて、川内村の自然の豊かさや人々の温かさだけでなく、復興の大変さと日本に、川内村を世界に広げていきたいという強い思いを感じることができました。また、今回のお話を聞いて村の方々が川内村をとても好きだということがわかりました。普段の生活では感じることのできない貴重な体験をさせて頂きました。
(臨床心理学ゼミ:3年 原美涼・葛島晴暉)