臨床心理学ゼミ:特別講演会を開催しました
2025.08.12
2025年7月27日に社会福祉法人「エリザベス・サンダース・ホーム」の斗澤輝一さんにお越しいただき、児童養護施設での生活や試し行動などについてお話しいただきました。斗澤さんは原田ゼミの卒業生です。講演会は、朝日先生はじめ、朝日ゼミも参加してくださいました。またゼミの先輩である教職大学院の谷合さんも参加くださいました。
児童養護施設での生活についての講義では、写真や実際の1日の流れを通して、子どもたちの日常に触れることができました。施設では私が想像していた以上に温かみがあり、家庭的な雰囲気が感じられる空間づくりがなされていたのがとても印象的でした。
「試し行動」では、子どもたちのそれまで過ごしてきた環境や、不安感、信頼することに対しての葛藤から、反抗的な行動を取り、相手の反応を見ることで、自分自身を守ろうとしているということを学びました。表面的な言動だけで子どもたちの気持ちを判断するのではなく、その背景にある心情や過去の経験に目を向け、寄り添うことの大切さを改めて感じました。
今回の講演を通して、現場では目に見える部分の支援以上に、目に見えない部分に対するアプローチや支援が何よりも重要であると共に、子どもたちが安心して自分自身を表現できる環境をつくることの難しさと、どこまで支援を行うべきかという線引きの難しさを学びました。
また、「ふつうの生活」とは何かについて改めて深く考える機会となりました。
児童養護施設で暮らす子どもたちに限らず、普通の生活とは、一人ひとりのこれまでの生活のスタイルや、置かれた状況、その人が持つ価値観によって、その意味は大きく異なります。このことを忘れず、子どもたちに寄り添うことのできる、困り感に気がつき適切な支援のできる教員になれるよう、今回の学びを大切にしていきたいです。
斗澤さん、とても素敵な先輩の姿を見ることができました。大変貴重な機会をありがとうございました。
(臨床心理学ゼミ:3年 中田咲良 服部由依)