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臨床心理学ゼミ:ゼミ合宿を行いました ―2日目その2―

2025.10.09

同日午後には、東日本大震災の震災遺構として保存されている石巻市の大川小学校を訪問し、ご遺族でもある只野英昭さんからお話を伺いました。
まず、校舎周辺の地形を再現した模型を使って、当日の状況を説明していただきました。校舎と北上川、裏山との距離、津波の進行方向などが具体的に示され、子どもたちや教職員が置かれていた状況を視覚的に理解することができました。その後、実際に校舎を巡り、津波によって破損した教室を見学しました。建物に残る爪痕を目にすることで、津波の破壊力と恐ろしさを改めて実感しました。
また、説明の中で、裁判に関する資料パネルも紹介され、当時の判断や責任をめぐる議論について知ることができました。その後、私たちも実際に裏山へ登らせていただきました。登ってみると、確かに短時間で避難できる距離であり、その場に立ったからこそ「なぜここに逃げなかったのか」という思いが一層強くなりました。同時に、混乱の中で判断することの難しさと、日頃の避難訓練の大切さについて深く考えさせられました。

続いて訪れた大川コミュニティセンターでは、震災でご家族を亡くされた今野浩行さん・ひとみさん、原告代理人の吉岡和弘先生、そしてご遺族でもあり生き残った哲也くんのお父様でもある只野英昭さんから、それぞれのお話を伺いました。
今野さんの「震災を知らない世代に伝え、風化させてはいけない」という強い思い、吉岡先生の「組織のルールを過信せず、自分が正しいと思うことを主張することが大切」という言葉、只野さんの「悲しみを乗り越えるのではなく、向き合うことが大切」という姿勢から、深く心に残る学びを得ました。
「記憶を語り継ぐ責任」「自分の意思を持ち主張する勇気」「悲しみに寄り添う姿勢」という3つの視点は、防災や支援の現場に限らず、これから私たちが生きていく上で大切にしていくべきものだと感じました。
夜は今野さんのお宅に伺い、只野さんのべっこうしじみのお味噌汁やしそまきなどをご馳走になりました。とても美味しかったです。大勢でお邪魔しましたが、とても楽しいお時間を過ごすことができました。

今野さんご夫妻、吉岡先生、只野さん、貴重な時間を過ごさせていただき、心より感謝申し上げます。

(臨床心理学ゼミ3年:石出好花・小竹真奈)

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