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臨床心理学ゼミ:ゼミ合宿を行いました ―3日目―

2025.10.20

ゼミ研修3日目の8月29日金曜日には、宮城県石巻市にある「石巻市震災遺構門脇小学校」を訪問しました。
門脇小学校は、地震・津波・火災という複合災害に見舞われながらも、当時、迅速な避難により、多くの児童の命が守られた学校です。現在は、その唯一の痕跡を伝えていく震災遺構として残されています。当時、校長先生をされていた鈴木洋子先生と門脇小1年生であった高橋輝良々さんに、お話を伺いました。
鈴木先生の語り部では、先生自ら詠んだ短歌から子どもや避難の様子について臨場感あふれるお話をいただきました。また、防災教育として日常生活や訓練を徹底することの重要性、「生き抜く力」を培う、これからの防災教育について学びました。普段の行動が避難に活きること、避難した子どもの姿が地域の方へ連鎖することなど「つながり」が大切だと感じました。
さらに、高橋さんの語り部では、避難した様子について、当時の避難ルートを辿りながらお話していただきました。そして、震災で親友を亡くした経験から子どもを守る教員を目指したというお話を聴き、自身が教員を目指す意味について、改めて考えることができました。住んでいた町が被災する様子や親友を亡くす経験をした高橋さんのこころの傷は非常に深かったと感じます。しかし、その経験を抱えながら前を向いている姿を見ると、向き合うことに意味があるのではないかと考えました。
その後、施設の見学をさせていただきました。津波火災による黒く焼けた教室などから災害の厳しい爪痕を感じると同時に、この出来事を風化させないよう語り継いでいくという被災者の思いを感じました。
今回の訪問で、教員を目指すうえで考える機会が多くありました。教員は子どもの命を守る義務があり、その義務を果たすために防災を知ることが大切です。同時に、このような経験をした人がどのような人生を歩むのかについても考える必要があります。私たちが教壇に立ったとき、今回の訪問で得た学びを活かし、伝えていけるよう考え続けたいと思います。


また同日に宮城県石巻市にある「みやぎ東日本大震災津波伝承館」に行きました。この施設は東日本大震災と同じ悲しみや混乱を繰り返さないために、大震災の記憶と教訓を伝えています。施設では、防災意識を高める場として、津波被害の実態や復興への歩みが展示されています。実際の津波の映像や被災者の言葉により、津波の怖さを理解することができました。
また、このような震災を理解するために歴史や地理を知る必要があることを学びました。過去を知ることは未来を知ることにつながるという意識で考えていくことが必要だと思います。
ゼミ生の多くは教員を目指しているので、「地域を知ること」によって、今回の学びが活かされていくのではと感じました。子どもたちの命を守るために、行動できる人になりたいです。

鈴木洋子先生、高橋輝良々さん、貴重なお話をありがとうございました。


(臨床心理学ゼミ3年:古谷慧・米澤拓海)

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