臨床心理学ゼミ:児童養護施設「エリザベス・サンダース・ホーム」を訪問しました
2026.10.08
2026年8月12日、原田ゼミ卒業生の斗澤さんが勤務されている児童養護施設「エリザベス・サンダース・ホーム」を訪問させていただきました。同施設は、1948年に澤田美喜さんが乳児院として創立したことを始まりとし、現在の児童養護施設へとつながっています。
当日は、子どもたちが日常をどのように過ごしているのかについて解説を受けながら、実際に生活している寮内を見学させていただきました。寮内には、子どもたち全員が集まる共用スペースと個室があり、特に個室にはそれぞれの好きなものが置かれるなど、一人ひとりの個性が色濃く反映されていると感じました。
また、掲示物には、翌日に必要な持ち物や取り組むべき宿題などを視覚的に確認できるシートや、子どもたちの「できたこと」に応じてシールを貼るシートなどが掲示されており、子ども一人ひとりの実態に合わせたさまざまな工夫が施されていました。子どもと日々接する中で、その子にとって最適な支援を考え続ける姿勢は、教師にも共通する重要な視点であると実感しました。さらに、職員の方々が子どもの様子を常に把握し、緊急時にも迅速に対応できるよう配慮された施設内の動線や構造も印象に残りました。
施設内の見学後は、職員である斗澤さん、井上さんからお話を伺い、学生からの質問にも答えていただきました。その中でも、特に心に残ったのが、退所後のアフターケアについてのお話です。退所後には、生活費や学費などの金銭面の問題に加え、メンタル面での悩みや孤立など、さまざまな困難に直面することがあります。そうした中で、エリザベス・サンダース・ホームでは、退所後も専用のLINEを通して日々の出来事をやり取りしたり、定期的に食事をしたり、毎年クリスマスカードを送ったりするなど、継続的につながりを持つことを大切にされていることを知りました。
また、斗澤さんから伺った「とにかく一緒の空間にいることを意識している」という言葉も強く心に残っています。特別な存在になろうとするのではなく、日常の中で自然に同じ時間や空間を共有することで、「気づいた時に頼れる大人がいる」という安心感につながるのではないかと感じました。
今回の見学を通して、子どもたちを施設にいる間だけ支えるのではなく、退所後の生活まで見据え、長期的に関係をつなぎながら成長を見守っていくことの大切さを学びました。また、日常の中で子どもと時間をともにし、「いつでも頼れる大人がいる」という安心感をつくることも、大切な支援の一つであると感じました。今回得た学びを、今後子どもたちと関わる際にも大切にしていきたいと思います。
貴重なお話を聞かせてくださった斗澤さん、井上さんをはじめ、見学の機会をいただいた施設の皆様に、心より感謝申し上げます。
(原田ゼミ:3年中澤夏葵・4年米澤拓海)




