開催日:2025年2月6日、7日
場 所:フィリピン・ダバオ市
2025年2月6日・7日、フィリピン・ダバオ市のSMXコンベンションセンターにて、「2nd International Stakeholders’ Forum on Banana and Cacao Diseases Management in the Philippines」が開催されました。このフォーラムはバナナ・カカオ産業の病害管理と持続的な生産に取り組んでいる関係者を対象としたもので、フィリピンの生産者、政府機関、地方自治体、組合等業界団体、民間企業、JICA(国際協力機構)、日比研究者といったバナナ・カカオ関係者が一堂に会し、フィリピンにおける生産の現状や輸入者である日本の現状、研究者による病害管理戦略についてオープンな議論が交わされました。
ご出席くださった日本国ダバオ総領事館の石川義久総領事からは、「本フォーラムは、生産地の現状を理解し、関係者の協力を促進する場として非常に時機を得ている。日本とフィリピンの研究機関の協力によって病害管理や生産技術を向上させ、バナナ・カカオ産業の発展を目指す重要な機会である」との英語によるお言葉をいただきました。
1日目(2月6日)はカオ産業における課題に焦点を当て、Davao Region Cacao Industry Council(ダバオ地方カカオ産業協議会)およびPhilippine Cacao Industry Council(フィリピン カカオ産業協議会)のDante Muyco, Jr理事からフィリピン全体におけるカカオ産業の現状について、また、Davao City Council Agriculture Committee(ダバオ市議会農業委員会)のMarissa Abella委員長からはダバオ市におけるカカオ産業の現状について説明がありました。
2日目(2月7日)の議題はバナナ産業に移り、主に病害対策や輸出品質、持続可能な生産について議論されました。Mindanao Banana Growers Associacion(ミンダナ バナナ生産者協会, MEGA)会長のPeter Paul Savillo氏がフィリピンのバナナ産業の現状について話した後に、株式会社トライアルカンパニーの加藤隆バイヤー補佐と株式会社 ユニフルーティー ジャパンの奥井慶樹商品物流部長から、日本のバナナ市場の動向と貿易についての話がありました。
両作物の国内生産量が圧倒的に多いミンダナオ島での開催とあって、本プロジェクトの研究成果に対し、地元から大きな期待が寄せられていることが強く感じられる場となりました。研究成果について多くの質問がなされ、活発な意見交換が行われたほか、ワークショップ開催の要望も出されるなど、プロジェクトの活動の拡大につながる内容となりました。
BaCaDMプロジェクトでは、バナナ・カカオの生産者が、栽培管理と病害管理を行うことができるシステムを開発し、産官学が連携して技術ガイドを普及させるよう取り組んでいます。引き続き日本とフィリピンの協力のもと、2026年まで全国各地でこのようなフォーラム、研修、ワークショップ等を実施することを目指しています。