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ネットワークとは、2つ以上のモノどうしをつなぎ、お互いに情報共有し合う状態であり、「モノ=節点(ノード)」「つなぐ=経路(リンク又はエッジ)」「情報=流れ(フロー)」で表現した図をグラフと言います。そして、グラフの性質を究明するのがグラフ理論です。本研究室では、以下で紹介するような世の中にある様々なネットワークを対象とした、ネットワーク最適化技術に関する研究に取り組んでいます。

無線センサネットワークにおける観測値分布情報を用いたデータ収集の研究

無線センサネットワークとは、環境情報を取得するためのセンサがついたバッテリ駆動無線端末を空間に複数散在させ、それらが自律的にネットワークを構築して、マルチホップ伝送を行うことにより目的に応じた情報を収集することができる技術です。無線センサは限られたバッテリの中でネットワークを形成し、データ通信を行わなければなりません。そのため、無線センサネットワークにおける最大の課題は消費電力量の削減となっています。また、無線センサから直接取得できる情報は3次元平面上に散布された点の情報に過ぎないため、正確な環境情報を取得するには高精度な補間技術が必要となります。本研究では、観測地形に合わせた最適な観測地補間アルゴリズム・省電力化を目指したデータ収集方式・システム寿命を考慮したバッテリ消費量の分散方式などを提案し、有効性を検証します。

Graph Cutsを用いた様々な画像処理技術の研究

Graph Cutsとは、セグメンテーション・ノイズ除去・ステレオマッチングなどの画像処理技術の最も有効な手法の一つです。問題に応じて定義された重みを隣接する画素間のエッジに設定することで、画像をグラフに置き換えて問題を解くという特徴を持った画像処理手法となっています。本研究では、Graph Cutsについてより効果的なアルゴリズムを生み出すための基礎理論の研究から、実際に社会で役立つような画像処理技術やアプリケーションの開発などを目的とした応用研究まで幅広くテーマを扱っています。特に、機械学習を取り入れたGraph Cutsの全自動システム・医用画像処理による新しい診断システム・手術中のモニタリング動画像上での患部抽出システムなどの医療現場などで貢献できるシステム開発を目指しています。