ゼミガイド

新たな始まりへと踏み出した卒業生たち—令和4年度文学部学位授与式

3月10日、卒業生たちの新たな出発にふさわしい青天の下で、令和4年度文学部学位授与式が執り行われました。学友との別れを惜しみつつも、次のステージへと向かう活力に満ちた、国語教育学科、英語教育学科両学科の卒業生たちの晴れやかな門出となりました。

以下、小田眞幸文学部長の祝辞を掲載します。

皆さんが玉川大学に入学した時、その先の4年間、どのようなストーリーが展開すると予想していたでしょうか。1年生の時は新しい環境に戸惑いながらも、授業、クラブ活動、そして体育祭、音楽祭などの行事を通して新しい仲間も出来たと思います。特に2019年の音楽祭は玉川学園創立90年という節目に当たり、横浜アリーナで第九を歌うという貴重な体験ができたと思います。当時は翌年に東京オリンピック・パラリンピックを控え、更なる飛躍を予想しながら、2019年が終わったことと思います。

年が明けて2020年になり、新型コロナウイルスの感染拡大により、私たち1人1人のストーリーは予想とはかけ離れた展開になりました。当たり前であったことが次々に出来なくなり、授業もオンラインで行われるようになりました。そしていつ抜けられるのかわからないどこまでも続く真っ暗なトンネルの中で転んだり、迷ったり、悩んでもがきながら、きっと出口があることを信じながらひたすら前に進むことしかできませんでした。誰のせいでもないことが分かっていても、私たちの多くは「どうして自分たちだけがこういう目に合わなければならないのか」と思ったことでしょう。そしてついつい不満を口に出してしまうこともあったと思います。

2021年4月、皆さんが3年生になった時、文学部長を拝命しました。こんなことを言うのは皆さんに失礼かもしれませんが、その時は突然真っ暗なトンネルに放り込まれたようで「なぜ、自分なのか」「なぜ、今なのか」と何度も自問自答をしたのを覚えています。確かに授業の一部は対面に戻りつつありましたが、正直何が正解なのか全くわかりませんでした。そんな時に勇気づけられたのが、この玉川大学文学部を支えて下さる方々でした。通常の業務外に9/10限の授業が終わった後教室や階段の手すりなどを毎晩丁寧に消毒したり、皆さんのオンライン授業がスムーズにできるよう24時間体制で見守ってくれたりした事務職員の方々。学生への経済的援助やオンラインの授業の充実の為に様々なサポートをしていただいた卒業生や教職員の有志の皆さん。こういった強力な後方支援を受けながら、文学部の先生方一同が結束し、学生の皆さんと一緒に前を向いて走っていく体制がだんだん整ってきました。2021年秋にはオンラインで開催したコスモス祭文学部展をしましたが、 2022年度は対面開催ができました。この2度の文学部展においては、前例がない中実行委員を中心に皆さんが文学部の新しいチャプターを次々に作ってくれました。私は英語教育学科の所属ですが、国語教育学科の皆さんとかかわりを持てた機会でもありました。2022年秋、皆さんにとっては大学生最後のセメスターは、まだ制限はあったものの、キャンパスには次第に活気が戻ってきました。就職活動、教育実習、ゼミでの活動や卒業研究などを経て、入学当初「ゴール」として目指していた「卒業」という地点に今日皆でたどり着くことができました。

確かに卒業は1つの区切りかも知れません。私事で申し訳ありませんが、今年の卒業式は私にとって教員としては32回目の卒業式となり、ゼミの卒業生をここにいる8名を含め通算321名送り出すことになります。そしてゼミの卒業生を送り出すのは最後になります。したがって、この学年は私にとって一緒に走り続けた、思い出深い特別な学年です。

It ain’t over until it’s over, 1970年代にアメリカ大リーグ ニューヨークヤンキースのキャッチャー Yogi Berraが発したという名言です。本当に終わるまでストーリーは終わりません。実際アメリカでは卒業式のことをCommencementと言います。これは「始まり」という意味です。みなさんも当初は卒業で完結するストーリーを想像していたと思います。しかし皆さんの人生にとってこの大学生活はまだ「序章」にすぎません。ここまで文学部の仲間として一緒に走って来てくれてありがとう、そしてこれからも自分のペースで前に進み、新たなチャプターをつくって行ってください。本日は卒業おめでとうございます。

令和5年3月10日
文学部長
小田眞幸


〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
Tel:042-739-8111(代表)

玉川大学入試Navi

ページトップへ