生涯学習ゼミ:栽培活動は「秘められた宝」
2023.09.04
子供たちとジャガイモほりをしている様子-
私たち生涯学習ゼミでは、2023年春学期に、ジャガイモ、ナス、枝豆、生姜を育ててきました。ジャガイモは子供たちも好きなので、地域の子供たちと一緒に収穫を楽しみたいと考え、ころころ児童館の児童と、6月28日(水)にジャガイモほりを行いました。児童には、よりワクワクして取り組んでもらえるように「宝探し」と伝えて実施しました。
企画当日の児童は、私たちが掘る準備をしていなかった区画まで掘り起こしてジャガイモを探す夢中っぷりで、宝という名のジャガイモ探しが、とても楽しそうでした。
児童が楽しそうに掘る様子を見て、私たちが春学期のゼミで学んだ、学習とは秘められた宝であるということを思い出しました。それは、ユネスコが取りまとめた『学習:秘められた宝』という報告書に書かれていることであり、ラ・フォンテーヌの寓話「農夫とその子供たち」に由来します。農地のどこかに宝物が隠されていると農夫が死に際にその子供たちに伝えたため、子供たちは農地の隅々まで深く掘り起こしましたが、宝物は見つかりませんでした。しかし、掘り起こしてよく耕された農地からは豊かな収穫が得られ、農夫はその子供たちに労働こそが宝をもたらすことを教えたのです。ユネスコがこの寓話の労働を学習に置き換え、学んでいる最中には気付きにくい学習の尊さを説いたことで、学習は秘められた宝と言われるようになりました。
ふり返ってみると、児童にこの企画を届けるまで、測量をして畝を立てたり、肥料を蒔いたり、雑草を抜いたりと、多くの活動を皆で行ってきました。それらの栽培活動を通して、私たちは挑戦すること、協働すること、状況に応じた臨機応変な行動をすること、主体的に行動すること等の大切さ、また、食の尊さ、思いやりの心、助け合いなど、様々なことを学んでいました。児童との関わりでは、物事に対して興味を持たせたること・意欲を引き出すことの難しさと大切さを学びました。タイトルで示したように、栽培活動は私たちにとって秘められた宝だったのです。児童に対して宝探しの企画をしましたが、それが自分たちの学習になり、ゼミ生一人ひとりに秘められた力を掘り起こすことにもつながっていたのではないかと考えます。誰かのために行動をすることが、自分のためになることを学ぶことができました。教員を目指す身として、これらの学びを将来に生かしていきたいです。
ジャガイモの栽培活動のプロセス
3月:本格的な活動開始
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種芋をカットし草木灰を付ける -
肥料の計算 -
肥料の計量
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三平方の定理を用いて測量 -
畝の区画取り -
肥料、堆肥の施肥
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管理機で耕す -
使ったものは全部洗う -
管理機も水で洗う
4月:ジャガイモの植え付け
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紐に沿って平鍬で溝を掘る -
足で間隔を測り種芋を置く -
平鍬で土をかぶせる
5月:成長を見守る
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雑草抜き -
芋を大きくさせるための芽かき -
追肥
6月:収穫
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どれくらい採れるかな… -
フォークで土を持ち上げる -
手で掘る
ころころ児童館の子供たちとジャガイモほり「たから探し大会」や、ジャガイモ料理を作る「ころころレストラン」も行いました。
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児童館で約束事を伝えて農場へ -
子供たちと一緒に芋ほり -
料理をするために芋を洗う
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ジャガイモの収穫「たからさがし大会」や、ジャガイモ料理教室「ころころレストラン」の様子は、ころころ児童館のレポートでも公開されています。
(生涯学習ゼミ生:小林侑・藤樫トム)