Guest Speaker

2005年秋学期に開講している「英語コミュニケーション2」に、玉川学園小学部で英語を教えていらっしゃるAlexis先生をお招きしました。Alexis先生のお父様はイタリア人、お母さまは日本人だそうです。Alexis先生は、アメリカの大学院でEthnic Studyを勉強され、Multicultural Educationに強い関心をお持ちです。そして、多様な文化背景を持っている生徒が95%を占めるカリフォルニアの公立高校で5年間、社会科を教えた経験をお持ちです。このようなバックグラウンドをお持ちのAlexis先生に、はじめの50分は、小学部の英語授業についてと、小学部で実践されている英語活動を紹介していただきました。後半の50分は、アメリカの事例などを紹介しながら、Cultural Diversityについてお話いただきました。小学部英語授業についての内容は、これまでに見学した報告書(報告1報告2報告3報告4報告5報告6報告7)と小川先生のお話1小川先生のお話2を参考にしてください。

当日の内容

1. English Activity for Elementary school

Alexis先生が小学生の授業で大切いしていること: Simple & Fun

小さな子供は、英語だけでは飽きてしまうので「子供が楽しめること」を大切にしています。例えば、ゲームや歌、絵や図など、言葉以外のインフォメーションを大切にしています。先生によって、教え方/教材は多様ですが、今年の僕の授業はテキストを使わずに授業をしています。テキストがないので、必要な教材は自分で作ります。グーグルなどの検索エンジンを活用して、自分の欲しい絵やイラスト(フリーのもの)をダウンロードして作成します。資料(受講者のみに配付)にあるように、小学部のカリキュラムは(他の多くの学校もそうでしょうが)月ごとにトピックがあり、そのトピックをもとにカリキュラム→個々の授業が作られていきます。学習の焦点は、Speaking & ListeningとReading & Writingにあり、grammar, pronunciation, vocabulary, spellingなどは小学生レベルでは重用視しません(中学生レベルになると重要になってくるかと思いますが)。それよりも、小さな子供には特に「話せること/聞けること」を大切にしてます。

では、どうやってアルファベットや英単語/英文をかけない子供がきちんと英語を聴き取ったかどうか判断しますか?

図1

A

B

C

D

E

Listening Activity:
図1のように、表の横列にA〜Eのアルファベットを入れ、縦列には聴き取ってほしい単語を表す絵を入れておきます。先生が 見本を見せて"A, Banana."と言って、Aとバナナが交わるマスに印を入れます。子供が同じように先生が読んだ単語の欄に印がついていれば、その単語を聴き取ったと言えます。学年によって、横列と縦列の内容を変化させると、レベルに合わせて複雑なListening skillの確認もできます。

Mixed-up Sentences:
黒板に空欄のある英文を書き、先生が言った英文通りにその空欄に当てはまる単語(または単語に該当する絵など)を選べるかどうかで聴き取りの力を試すこともできます。また、英語がよくできるクラスなら、1文をバラバラにしたものを、先生が言った通りに並び変えをできるかどうかを試してみてもいいかもしれません。

先生が読む文

"What do you recycle at home?"

黒板にある単語のカード

What

do

at home?

you

recycle

Speaking Activity:
生徒達に席を立って歩きまわらせ、2〜3人を見つけて質問させます。質問は、ターゲットの単語/文法や物語の内容に関わるものになります。課題ができた子供にハンコをあげるようにすると、子供達は夢中になってします。日本の子供達は先生からハンコをもらうのが大好きなようです。

このような活動を定着させるために、次の授業の先生が同じトピックで別の授業をします。トピックは同じでも先生が変わると活動内容も変わるので、子供達は様々な方法で学習をします。教師は、子供の集注力を持続させるために、子供達が興味を持っていること、興味を持てる活動を取り入れます。

 

2. Cultural Diversity

Culture --- "Who you are."

Multicultural Education: How do we teach different students from different culture?

Issues and Concepts related to Cultural Diversity:

Concepts

Challenges

Human Relation

Historical Background

Goals
  • Culture
  • Ethnicity (ethnic group)
  • Race
  • Religion
  • Nationality (nation)
  • Mixed cultural/ethnic background
  • Racism (Individual and institutional)
  • Power
  • Prejudice (Prejudge)
  • Discrimination
  • Ethnocentrism
  • Roots
  • Ancestry(Ancestors)
  • Descendant
  • Immigrate (immigrant)
  • Native/Indigenous people
  • People of color
  • Equality
  • Justice
  • Fairness
  • Respect
  • Righteousness
  • Empowerment

質疑応答:

Q: When do you feel happy as a teacher?
A: しょちゅう 幸せを感じてます。子供は正直で、大人が聞けないようなことも、率直に聞いてくれます。 例えば、「先生、ズボンから糸が出てるよ。なんで?」など、些細なことにも興味を持ってくれるので、面白いです。

Q: What do you think of Japanese students?
A: 僕は、カリフォルニア出身です。アメリカで育ってきた僕が、よく知らない日本のことについて自分の文化の価値観からだけ判断することはしないようにしています。色々な違いがありますが、それですぐに判断したりしないように気をつけています。

僕にとってのGood teacherは、生徒といい関係を築こうとする先生です。どんなに専門知識や技術があっても、生徒といい関係を築こうとしない先生はGood Teacherとは言えないと思います。日本の先生方の、特に玉川の先生方の生徒への愛情や思いはすごいものがあると思います。アメリカの先生達の中には「3時になったら仕事は終り!」と生徒がいようといまいと、帰ってしまう先生も少なくありません。文化の違いはあっても、生徒にどれだけ心をかけられるかが先生として大切なことだと思っています。だから、日本の先生方にはもっと自身を持っていただきたいと思います。時々、自分の発音や文法の正確さに自信のない英語の先生がいらっしゃいますが、発音や文法のミスは些細なことです。ネイティブだって、文法ミスをしますし、地域によっても発音は多様です。それよりも、生徒といかにいい関係を築くかが、その生徒の学習や学校生活にとって大切なことだと思っています。