生涯学習ゼミ:稲作(代掻き)を通じて児童と共に学ぶ
2025.05.12
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5月1日、玉川学園小学部の2年生と中村ゼミで協働し、「田遊び」兼「代掻き(しろかき)」の活動を行いました。活動の冒頭では、なぜ代掻きを行うのかを児童に説明し、その後、楽しく安全に活動するためのルールを全員で確認しました。児童も大学生も泥まみれになりながらも、無事に活動を終えることができました。
準備
事前に代掻きをしている様子-
小学生に代掻き前後の田んぼの違いを体感してもらうために、事前にゼミ生が、空きコマの時間を活用してお手本となる代掻きを行いました。初めて田んぼに入ってみると足が抜けなくなり、体力的にも厳しい場面がありましたが、「児童に違いを分かりやすく見せたい」という思いから、皆で協力して取り組みました。
事前に代掻きを体験したことで、田んぼの泥に足を取られた際にどうすれば抜け出しやすいかといったコツを掴め、それを他のゼミ生にも共有しました。そのおかげで、田遊び当日には、ゼミ生全員が児童に積極的な声かけをしながらサポートをすることができ、田遊び(代掻き)をスムーズに進めることができました。
田遊び(代掻き)の様子
田遊び当日は、元気いっぱいの小学生を田んぼまで案内するところからスタート。子どもたちは笑顔にあふれ、到着するなり、今にも田んぼに飛び込みそうな勢いでした。
田んぼの中で一緒に遊んでいた児童がふと、「この田んぼからお米ができるの、すごいねー! どうやってできるんだろう? 楽しみ!」と話しているのを聞き、目の前の遊びに夢中になりつつも、栽培活動の一環であることを理解している姿に驚かされました。
また、田遊びの中で、ためらいなく田んぼに入っていく自分自身の姿にも驚きました。私は虫が苦手で、普段は触れるどころか近づくのも避けていましたが、この日は「小学生と一緒に楽しく学びたい」という気持ちが勝り、気づけば児童と一緒に虫を探していました。自分の殻を一つ破れたようで、嬉しいです。
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田んぼまで案内をする -
代掻きと注意事項の説明 -
いざ田んぼへ!
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学生が先に入り、児童を誘導 -
児童と一緒に遊び、泥だらけに -
全身泥まみれで遊ぶ児童
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脱げてしまった靴を履かせる -
目に入った泥を洗う -
泥だらけになりながらも笑顔に
児童と共に学ぶ
ゼミ生で分担をして毎日灌水-
4月21日に行った播種活動から、5月下旬に予定している田植えまでの間、ゼミ生13人で協力をし、土日祝日も毎日灌水をし、苗を育てています。児童が「元気に育ってほしい」という願いを込めて植えた苗を枯らさないように、責任を持って取り組んでいます。活動ごとに記録をつけ、わずかな変化も見逃さないようにゼミ生同士で情報を共有し、必要に応じて農学部の井上先生にも相談をし、苗の成長を丁寧に見守っています。
このような本格的な栽培活動は初めての経験ですが、栽培と教育には共通するものがあると感じました。子どもや植物が真っ直ぐ健やかに育ってほしいと願うだけでは思い通りには育たず、丁寧に時間と愛情をかけることで成長するということを実感しています。
児童の学びを支える立場ですが、私自身がたくさんの学びを得ていることに気付かされます。先生方の声かけや行動などからも多くを学ばせていただいております。このような貴重な経験ができるのは、農学部の井上先生をはじめ、小学部の児童・先生方、そして保護者の皆さまのご理解とご協力があるからです。これからも関わってくださるすべての方々への感謝の気持ちを忘れず稲作活動を続けていきたいです。
(生涯学習ゼミ生:野﨑未来)
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