ゼミガイド

2018年度「下田市黒船交流プロジェクト」活動報告 5月19日

黒船交流プロジェクト最終日となる3日目5月19日(土)は、下田の街に繰り出し、市内最大のイベント「黒船祭」に参加しました。世界平和と国際親善に寄与するため、昭和9年から開催され、今年で第78回を迎える黒船祭には、国内外から毎年たくさんの参加者や観光客が集います。この日は稲生沢小学校の児童たちと、黒船祭に訪れた水兵さんに下田各地の名所や1853年に来航したアメリカ海軍の提督マシュー・ペリーゆかりの地などを案内するウォークラリーを行いました。

【ウォークラリー リハーサル】
当日、宿泊先でグループごとに下田各地の名所の説明が書かれた文書に目を通し、具体的にどのように案内していくか、イメージを膨らませながら話し合いを行いました。準備を終え、宿を出発。午前中は下田市教育委員会 土屋大祐指導主事の案内により、ウォークラリーで歩くルートの下見を行いました。学生は、それぞれのポイントで土屋先生の丁寧なご説明を聞きながら、児童たちがどのようにしたら水兵さんに英語を使って説明することができるのか、また水兵さんと児童たちとの交流をどのようにサポートをしていくかを考え、リハーサルを行いました。
同時に、ペリーロードの美しい街並みや黒船祭で活気づいている町全体の雰囲気に触れながら、下田市の魅力を再確認する機会にもなりました。


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午前中、土屋先生と一緒に下田市内の名所を下見

【ウォークラリー本番】
ウォークラリー形式で行われた街案内は、一グループに水兵さん、児童、学生がそれぞれ2?3人に分れました。各グループ自己紹介後、実際に児童たちと水兵さんとの交流が始まりました。  水兵さんは各名所に対して非常に興味を持っており、質問の嵐でした。これをきっかけに会話が弾み、各所を回っているうちに次第に打ち解けていきました。児童たちからも自然に水兵さんに話しかけることが増え、児童たちも自然に水兵さんと楽しく会話ができるようになっていきました。児童たちは、前日、前々日と英語の授業を行っていたため、学習した英単語やフレーズ、配布されたガイドマップも使い、必死に会話をしていました。
学生たちもまた、わかりやすい英語ではなく、生の英語を話す水兵さんとのコミュニケーションに苦戦しましたが、名所ポイントの紹介を含め、児童と水兵さんの会話の仲介に挑戦しました。学生による各ポイントの紹介後、さらにクイズを出題し、児童がその選択肢を与えます。そのクイズに水兵さんが答えていくという流れで、下田市内の名所を巡りました。
一通りルートを周り終えると、水兵さんと児童たちはすっかり親睦を深めており、写真撮影もするなど、笑顔の絶えない雰囲気でした。私たちも全ての活動をやり遂げ、多くの学生が安堵の表情を浮かべていました。始めて訪れた下田市でしたが、その魅力を水兵さんに伝えることができ、さらに自分の英語を実践できる良い機会になりました。


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ウォークラリー 水兵さんとの対面式

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ウォークラリーの様子

ガイドの序盤から、水兵さんたちは陽気に話しかけてくれましたが、児童たちは興奮と緊張の中、なかなか打ち解けることができず、コミュニケーションに苦戦していました。しかし徐々に緊張がほぐれた様子で、出身国や年齢など、児童たちが興味を持ったことを、私たちを通して水兵さんに尋ねようとする姿が見られました。その際に、児童の嬉しそうな表情を見ることができて、私たちは自身の役割の意義と、やりがいを感じました。また児童が、自分の知っている英語を存分に使って、なんとか話そうとする積極的な姿がとても印象的であり、なんとかコミュニケーションを取ろうとする大切さを、私たちは児童から学びました。

【3日目感想】
参加した学生の多くが、将来教員になろうと日々勉強していますが、今回のプロジェクトでは普段の生活では経験できないような貴重なものを学びました。児童の、未知のものに恐れずに向かっていく姿勢は、留学を控えた大学生の私たちに、大切なものを気付かせてくれました。児童の自由な発想から生まれる日本語を、水兵さんに伝えるために英語に通訳することは、とても苦労しました。しかし、児童から「ありがとう」と言われ、水兵さんの楽しそうな表情を見たときは、これまでの努力が報われたような気がしました。この活動を始めた当初は、児童に英語によるコミュニケーションの楽しさを知る機会を与えることを目的としていましたが、活動を終えた今、自らが初心に帰り、英語の楽しさや奥深さに気づくとても貴重な機会になったと感じています。


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ゴール地点で水兵さんと記念撮影

【全体を通して】
下田での3日間の体験を通し、私たちは児童たちの明るさや活発さに励まされました。1日目の朝、「どう英語を教えたらいいのだろうか」「どうしたら興味を持ってもらえるだろうか」「水兵さんたちと上手に関われるだろうか」と不安を抱えたまま列車に乗った学生もいました。しかし、児童たちと出会い、授業に対して一生懸命取り組んでいる姿に励まされ、児童たちの笑顔につられて私たちも笑顔になりました。水兵さんたちをも巻き込む児童たちの持ち前の明るさは、楽しい雰囲気を作り出すパワーを持っていました。私たちの心配していたことは、児童たちはじめ、稲生沢小学校の教職員の方たちの支えによって解消されました。
今まで長い時間をかけ準備してきたものは無駄ではなく、やってきたことに対して大きな意味があったように思え、私たちにとって大きな自信となりました。私たち学生にとっても、児童たちにとっても、大きく成長できたことと思います。準備していた時間の方が明らかに長いはずなのに、この3日間はその長い時間を上回るほどに濃密な時間であり、多くの学びを発見できました。この発見を私たちのこれからの糧とし活かしていきたいです。


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全体写真

文責:英語教育学科2年
   上田歩美 佐々木拓也 鈴木若葉 田村明石 原浩輝 横田淳弘

2018年5月17日~19日「黒船交流プロジェクト」活動報告

〒194-8610 東京都町田市玉川学園6-1-1
Tel:042-739-8111(代表)

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