2019年度「黒船交流プロジェクト」活動報告 5月17日
第1日目:5月17日(金)
①黒船交流会(体育館)
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私たちが下田小学校を訪れると、児童たちは体育館で水兵さんを歓迎する会を行っていた。これが黒船交流会である。この会が私たちと児童と水兵さんの初顔合わせの場となった。 水兵さんが入場すると、会場は大きな拍手で包まれた。児童たちは、少し緊張しているように見えた。始めに、児童たちによる太鼓や笛の演奏が行われた。伝統的な日本の楽器に魅了されたのか、水兵さん達は写真や動画を撮っていた。その後、児童代表や学校長のあいさつが、英語の後に日本語で同じ内容を話すという形で行われた。児童代表の英語はとても流暢で、よく準備していたのが伝わった。あいさつが終わると、児童全員が歌のプレゼントを水兵さんにした。曲は「大きなのっぽの古時計」だが、歌詞に下田にゆかりの深い伊豆急下田駅にある時計台が登場するなど、アレンジが加えられていた。児童たちは、一人ひとり大きな声で歌っていて、私たちも聞き入ってしまった。歌の発表が終わると、ゲームを通して参加者全員の本格的な交流が行われた。ゲームの内容は、各自一枚ずつカードを持ち、代表の児童が「同じ人2人(same two)」 と言ったらそのグループになり、「違う人5人(different five)」と言ったらそのグループになるというものであった。ゲームが始まると、児童や水兵さんは積極的に声を出し、楽しんでいた。私たちも、早く打ち解けようと、みな積極的に参加した。グループには様々なパターンがあり、大学生一人に対して他は全員児童のところや、水兵さんが2,3人いるところ、先生方が一緒のグループもあった。一緒になったのが児童だけの時は、名前や下田のことを聞いたりと、打ち解けられるよう努めた。児童たちも自分から様々なことを話してくれた。水兵さんがいる場合には、下田の印象はどうか、日本で行ってみたい場所はあるかなど、積極的に英語で話すよう心掛けた。また、時間がある場合には、児童たちに水兵さんに尋ねたいことがあるかを聞き、あればそれを水兵さんに聞くよう促した。ゲーム終了後、終わりのあいさつが行われ、黒船交流会は幕を閉じた。
(文責:和田 伊織)
②クラス交流会
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1年生はフルーツバスケットと似顔絵リレーを行った。
2年生は福笑いをした。水兵さんに事前に方向や顔のパーツの日本語を伝えて、英語と日本語を交えて福笑いを楽しんだ。
3年生は紙飛行機を製作して遊んだ。
4年生は昔遊びを行った。内容はけん玉、おはじき、だるま落とし、めんこの4つ。2チームに分かれて対抗した。
5年生と6年生は体育館でミニ運動会をした。学年縦割りで赤、青、黄、緑の4チームに分かれた。学生は各ペアが別のチームに入った。水兵さんも2人ずつチームに入った。種目は自己紹介リレー、玉入れ、綱引き、リレーの4つ。自己紹介リレーはチームごとに円になり行う。一人ずつ立ち自分の名前とあいさつを英語で言い、全員が言い終わった段階で4分に近いチームが勝ちというゲームだ。玉入れや綱引きは力や高さのある水兵さんと協力した。最後のリレーは、全員参加で行われた。総合結果は黄色チームの優勝だった。
特別支援学級では質義応答をしたりボーリング大会をしたりした。また、児童と水兵さんが一緒に英語でBINGOを歌った。(文責:青木 理花子)
③給食交流・昼休みの様子
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私は5年生の担当だったので、2組の教室で児童と水兵さんと給食を食べた。教室に着くと、事前に私と水兵さんが児童を挟んで向き合う形で机が用意されていた。給食は、児童の「いただきます」の掛け声で始まった。私は下田に来る前、給食の時にあまり話さない児童や、水兵さんに興味を示さない児童、質問をしたがらない児童など、あまり積極的ではない児童たちがいるのではないかと予想していたが、実際は全く異なっていた。児童は給食が始まると、私に水兵さんにして欲しい質問をたくさん投げかけてくれた。特に印象的だったことが2つある。1つ目は、児童から水兵さんに好きな食べ物が何かを聞いてと言われ、私がWhat food do you like? と言うよ、聞いてみたら?と伝えたところ、他の児童がそれは授業で習った表現だと言っていた場面だ。私は児童がその表現を思い出してくれたこと、そしてその英語が伝わった時の児童の笑顔を見て、このプロジェクトに参加した意味を見出せたように感じた。2つ目は、児童が知りたがっていた、どうして水兵として働いているのかという質問に対して「家族を守るため」と答えた水兵さんの言葉を訳して伝えたときである。日本人にはあまり見られない水兵さんのストレートな表現に、児童は驚いていた様子だったが、水兵さんとの交流を通して日本人とアメリカ人の性格の違いや国民性に触 れる良い機会になったように感じた。
給食の後は、体育館でドッヂボールをした。クラス交流会や給食でたくさん水兵さんと交流した後だったこともあり、児童は水兵さんに慣れてきた様子だった。児童が積極的に水兵さんとハイタッチをする姿やボールを回す姿が印象的だった。(文責:小松﨑 美穂)
④水兵さん・児童と学生のお別れ
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最後の学活では、水兵さんへの感謝の気持ちを込めて児童たちが歌を歌った。みなとても元気に歌っていて、私たちも一緒に歌いたくなった。曲の終盤には水兵さんたちも一緒に踊り、クラスが一体となって楽しんだ。
次は児童からの質問・感想タイム。児童は一人ひとり思いのたけを述べた。水兵さんからも感想をいただき、双方にとってすごく楽しいひと時であったことが感じられた。私もとても充実した時間を過ごすことができ、この場に居られたことに幸せを感じた。最後に、水兵さんを含めてクラス全員で記念撮影を行った。
ついに水兵さんとのお別れの時。クラス全員で見送りに行き、水兵さん一人ひとりとハイタッチをしてお見送りをした。私たちがお別れの際も、児童たちは控え室まで来てくれた。何人かは部屋の中まで来てくれ、お別れをするのが少し悲しくなった。(文責:實川 玲央)
⑤ウォークラリー事前説明会
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一日目の最後に、ウォークラリー事前説明会が行われた。
ここでは、翌日のウォークラリーに向けて、児童と共に経路や英語で水兵さんに聞きたいことなどを一緒に確認した。今回は、英語にたくさん触れることが児童の目的であり、良い経験になると考えたため、自己紹介の仕方や質問したいことは英語で何と言えばいいのか、また、ウォークラリー中に水兵さんに行うクイズの練習に時間をかけた。活動内容や予定を説明することと同時に英語を教えることの難しさを少し感じた。どのように説明すればわかりやすく伝わるか工夫して話し合いを進めていくことができたと思う。「笑顔でレッツゴー」というスローガンを掲げて、充実したウォークラリーが行えるようしっかり準備を行った。(文責:前田 健太朗)
⑤1日目の感想
黒船交流会では児童と水兵さん、学生が一体となり歌やゲームを通して交流を深めることができた。初めて会う人たちということで、当初は若干ぎこちなさと緊張を感じたが、それぞれが積極的に交流を図ったことで三者間の距離がグッと縮まった。
クラス交流会では水兵さんと学生がそれぞれの学年に分かれ、クラスが企画した活動を一緒に楽しんだ。私が担当したクラスでは、折り紙で紙飛行機を作って校庭で一斉に飛ばした。校庭に出たため、通訳としてよりは児童の安全配慮や遠くに行かないかなどの目配りを行ったが、好奇心旺盛で体力のある児童全員に目を配ることの大変さを知ることができた。
給食交流や昼休み交流では、児童から積極的に質問が飛び出し、児童と水兵さんの架け橋となる役割を学生が務めた。一人がこなす量が多く、また一つ一つの質問に対するパーフェクト・アンサーを出すことは大変ではあったが、達成感とやりがいを得ることができた。
ウォークラリー事前説明会では当日の流れや注意事項などを確認し、聞きたいことや話したいことなどをまとめるなど入念な打ち合わせを行った。当たり前のように準備してきたこの企画も、多くの人々の協力と手厚いサポートがあってこそ成り立っていると感じ、また私たち学生に寄せられる期待の大きさを改めて感じた。
朝早くから夜遅くまで、多くの活動が重なり疲労と達成感に満ちた一日であった。夜の自由行動ではお祭りに繰り出し、屋台や催し物では地元の方々の優しさに触れ、下田の町を満喫することができた。
(文責:岩﨑 要)