研究室ガイド

生涯学習ゼミ:小さなことにも興味を持つ大切さを学んだ脱穀

2023.12.11


稲穂から籾を分離させる脱穀

生涯学習ゼミでは、11月17日に小学部2年生と「脱穀、籾摺り、精米」を行いました。脱穀に至るまでに小学生とは4回の活動を共にしてきました。5月に初めて2年生と出会った「田遊び」では代掻きを行い、「稲の播種」では育苗箱に種籾を並べ、6月には「田植え」をしました。そして、10月には「稲の収穫」をして、今回は最後の稲作活動です。

今回は「脱穀、籾摺り、精米」の3つの活動を行いました。脱穀では、児童と一緒に稲を持ち脱穀機に入れる活動をしました。児童は、脱穀機の中で籾が分離されて移動していく稲の動きを近くで興味津々な様子で見ていました。籾摺りでは、機械の中から出てきた玄米を「触って良いよ」と伝えると、児童が一気に集まり、玄米を手に持ったり臭いを嗅いだりしながら五感を使って学んでいました。精米では、精米機が玄米から糠を取り除き、白米にする様子を食い入るように見ていました。

今回の活動を通して最も学んだことは、教師の児童を動かす力です。脱穀、籾摺り、精米の工程を体験している中で、児童はどんどん機械の近くに寄っていき、後ろの方にいる児童が「見えない」と言ったり、前にいる児童も「近くに行っても見えない」と言ったりしました。私自身は、機械の近くに寄りすぎると危ないということもあり、声をかけていましたが、「○○さんは下がっていない」など、児童同士でトラブルになる可能性のある場面がありました。その際に、担任の教師が「全員で一斉に3歩下がろう」と声をかけると、ざわついていたのに児童全員に教師の声が届いており、教師の1,2,3という声掛けと共に児童が一斉に下がり、全員が見えるようになりました。具体的に指示を出す事の大切さとともに、教師のことを児童が信頼しているからこそ児童全員が指示を理解して納得して動いていると感じ、教師の発する言葉の重さを実感しました。

今年5月から始まった稲作活動をふり返ってみると、小学生のキラキラした目を見て、私たち大学生も小学生から学ぶことが多くありました。例えば、脱穀機にかけてもまだ稲穂の先に籾が残っていたのを見つけると、その籾を欲しいと言う児童がいました。大人になるにつれて、このくらいなら良いだろうと見過ごすことにも興味を持つ姿を見て、小学生の頃の私たちも持っていたであろう楽しみながら学ぶ姿勢や、色々なことに興味を持つ純粋な感覚が蘇ってくる思いがしました。また、小さなことにも興味を持ち、児童の興味関心に応じられるような教員になりたいと思いました。

準備

児童が農場に到着する前に、脱穀・籾摺り・精米の仕方や機器の扱い方を学びました。どれも初めて見る機器でしたが、児童が安全に学べるように、機器の扱い方や注意すべき危険なことを学びました。



  • 脱穀機

  • 籾摺り機

  • 精米機

脱穀

約1か月前に稲刈りをし、稲架掛けで乾燥させた稲の穂先から籾を外す「脱穀」。農学部の井上先生の説明の後、児童が稲を一人一束持ち、学生と一緒に脱穀しました。



  • 稲架掛けで乾燥させた稲

  • たくさん実った穂先

  • 脱穀の説明を真剣に聞く

  • 稲の束を1つずつ持って並ぶ

  • 脱穀機に稲穂を平らに置く

  • 学生が手を添えて一緒に脱穀

  • 脱穀し終えた稲を受け取る

  • 稲は畑で再利用する為、整えて置く

  • 稲穂を手に話しかけてくる児童

籾摺り

農学部の島田先生から、脱穀した籾の籾殻を剥がして玄米にする工程が「籾摺り」であることや、籾殻は灰にして畑に用いること、稲には捨てるところが無いことなどを学びました。次いで、籾摺り機が籾殻を剥がして吹き飛ばす脱稃を実際に見て、籾を手で触ってみたり、籾殻を取り除いた玄米の重さを量ったりしました。



  • 籾殻を剥がす様子を真剣に見る

  • 脱穀した籾を籾摺り機に入れる

  • 籾摺り機の説明を真剣に聞く

  • 籾摺り機の中の籾を触ってみる

  • 籾摺りが終わった玄米の袋詰め

  • 籾殻を除いた玄米の計量

精米

「玄米から白米にする工程で出てくるこの茶色い粉は何でしょう? お漬物に使います!」などとクイズ形式で、糠を取り除く「精米」の工程について、学生が説明をしました。



  • 学生による精米の説明

  • 精米の様子を食い入るように見る

  • 精米された白米を触ってみる

後片付け

残った稲穂を全て脱穀・籾摺り・精米し、これで5月から始まった稲作が、全て終わりました。



  • 全部の脱穀をし終える

  • 袋詰め

  • 籾摺り

  • 精米

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