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生涯学習ゼミ:教師の視点や食に向き合う姿を学んだ脱穀~精米

2025.12.01

11月18日に、小学部2年生と一緒に「脱穀」「籾摺り」「精米」を行い、私たちが3か所に分かれて各活動の意味や注意点の説明をしました。児童が、実際に見たり触ったりして、楽しく活動できるように、ゼミ生が協力をして取り組みました。

脱穀では、児童と一緒に稲束を持ち、脱穀機に入れていきました。児童は、脱穀機の大きな音に驚きつつも、稲穂の穂先から籾がこぎ落される様子に目を輝かせながら、次々と稲を運んでくれました。
籾摺りでは、児童らに籾摺り機から出てきた玄米を「触ってごらん」と声をかけると、一斉に興味を示し、手触りやにおいを直接確かめながら五感を使って学ぶ姿が見られました。
精米では、玄米が白米になるプロセスとともに、糠の用途などの説明をしました。玄米の糠が取り除かれて精米機から出てきた白米をじっと見つめ、「まるで魔法のようだ」と言う児童や、糠には美白効果があることを伝えると、頬に塗っている児童もいました。

今回の活動で私が特に考えさせられたのは次の2点です。
1点目は、児童の興味をいかに学びに導くかという教師としての視点の重要さです。脱穀機などの普段目にしない機械が動きだすと、児童は一気に吸い寄せられるように近づいてきたので、危険であるとともに、説明の声が届き難くなりました。「見えない」と不満を漏らす児童が居たので、順番に見るなどの具体的な指示を出すことで、全員が安全かつ公平に学べる環境を作る重要性を学びました。
また、籾摺りや精米のように、見学時間が長くなる時には、ただ眺めるだけで時間が過ぎてしまわないように、「玄米と白米の違い」「糠は何に使うか」「お米一粒ができるまでの過程」など、短くわかりやすい質問をたくさんし、稲作活動の学びを深められるような工夫をしました。「活動あって学び無し」ということにならないように、興味が高まった瞬間を逃さず、学びに繋げられるような知識の引き出しをたくさん身に付けることの大切さも実感しました。
2点目は、児童に食と向き合う姿勢が育まれていたことでした。今回の活動で私が強く心を動かされたのは、落ちてしまったお米を一粒ずつ丁寧に拾う児童の姿です。脱穀機などからこぼれたお米を見つけると、「もったいない!」と拾い集めている児童がいました。その姿には、「自分たちが育てたお米への愛着」「食べ物を無駄にしない気持ち」がにじみ出ていました。大人になると、つい見過ごしてしまう小さな一粒にまで目を向けるその純粋さを見て、食に向き合う姿勢を捉え直す機会となりました。 児童が「食を大切にしよう」という気持ちを行動で示していたことは、私にとり大きな学びであり、教師を目指す者として大切にしたい視点だと感じました。

春から小学生と共に取り組んできた稲作活動における大学生としての役割は無事に終了し、安心した気持ちでいます。ここまで来られたのは農学部の井上先生や園芸班などの多くの方のお蔭様です。今後も支えてくれている人への感謝の気持ちを忘れずに活動に取り組みたいと思いました。

前日準備

農学部の井上先生のご指導のもと、脱穀・籾摺り・精米の仕方や注意点を学びました。楽しい活動ではあるが、一歩間違えると大怪我をする危険な活動でもあるので、全員が集中して説明を受けました。





当日の活動

早朝から準備を始め、脱穀・籾摺り・精米の3か所に分かれて説明をする最終確認をしました。





脱穀

乾燥させた稲の穂先から籾を外すのが脱穀です。脱穀を終えた稲は、家畜の飼料や敷料などにも再利用できることを説明し、稲には捨てる部分がないことを説明しました。





籾摺り

脱穀した籾の籾殻を剥がして玄米にするのが籾摺りです。児童らには剥がした籾を触ってもらい、感触や匂いなどを直接感じてもらいました。





精米

玄米から糠と胚芽を取り除き、食べやすく美味しい白米にするのが精米です。お米や糠に関する質問をたくさん投げかけました。





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