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    更新日 2025年5月19日

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研究テーマ1

TOP > 研究テーマ01「トマト」 > 01-1. 野生種トマトとは? - トマトの種子を維持・保存する意義

野生種トマトとは?

遺伝資源として野生種トマトの種子を維持・保存する意義は何でしょう?

野生種のトマトには、人類が必要とする重要な遺伝資源がたくさん詰まっています。
例えば、以下のようなトマトを作り出す可能性があります。

1.果実の品質を良くする
高糖度を有する⇒甘いトマト(おいしいトマト)
高酸度を有する⇒クエン酸など機能性成分が多いトマト(ジュース用トマト)
高ビタミン、高アミノ酸を有する⇒生活習慣病を予防する
高ミネラル⇒食物繊維の多いトマト(生活習慣病の予防に役立つ)
リコペン、β-カロテンが多い⇒生活習慣病を予防する

2.不良環境適応性を増す-地球環境問題と直結する問題でもある
乾燥地帯に強いトマト⇒砂漠化対策
塩に強いトマト⇒耐塩性トマト
暑い地方でもできるトマト⇒耐暑性トマト
寒い地方でもできるトマト⇒耐寒性トマト

3.病気や害虫に対して強くする
うどんこ病、灰色かび病、萎凋病、青枯病などの、栽培種のトマトにとって非常に問題となる病気への抵抗性を増す。
タバコモザイクウイルス、キュウリモザイクウイルスなどのウイルス抵抗性をつける
ウイルスを媒介する害虫のアブラムシ、オンシツコナジラミへの抵抗性をつける

4.収穫性の効率化(コストダウンと省エネ)
トマトの収穫は非常に手間とコストがかかりますが、果実が熟すとすぐに果実だけがへたの部分から離れるようなトマト

5.そのほか
薬効成分、室内環境汚染物質のフォルムアルデヒドを除く効果、など

栽培種トマトには、品種改良を重ねるほどこれらへの抵抗性が劣化してくることが多々知られています。そこで、栽培種トマトへ、これらの遺伝資源を保有する野生種のトマトの遺伝子を導入することで品種改良が行われています。
ところが、これらの野生種トマトは自生地では地球温暖化の影響を受けて、あるものは絶滅しています。先日の話ですが現地にはほとんど野生種トマトが無かったという報告すら受けました。一度、失われた遺伝子資源は二度と戻ってはきません。また、貴重な遺伝資源を保有するにもかかわらず、気がつかないままに絶滅することがあった場合は、人類にとって大きな損失となります。したがって、遺伝資源として種子を保存する意義が非常に大きいのです。

01-1.野生種トマトとは? 目次
  • 野生種トマトはどんなところに分布している?(分布図・写真等)
  • 現在この記事です遺伝資源として種子を維持・保存する意義
  • 卒業研究を行った学生の声
  • 今後の展望
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