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    更新日 2025年7月9日

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花菖蒲図鑑

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あおいのうえ

葵の上

Aoi no-ue

江戸系 【花容】平咲き 【英数】三英 【花色】薄い紫色の地に、濃い紫色の筋 【開花時期】6月中旬 2014年は6月18日開花

分類 : 平咲きの江戸系古花。三英花です。
外花被 : 形状は円形で、平咲き。外花被片の周縁部は小さな波を打ったような形状になります。先端部は軸方向にやや垂れ下がります。花色は、一見すると白色地に紫の筋が入るように見えますが、地の色は薄紅紫または薄い青紫色で、同じ色の目立つ筋(脈、維管束)が入ります。
基部のアイ(黄色)の部分の周辺には、筋と同じ色の砂子が非常に密に入り、アイの先端部から外花被片の先端部に向かって、直線状に濃い砂子模様が1本の筋のように発達します。外花被片の脈と筋の間にも砂子が存在します。周縁部には非常に細い白色の糸覆輪が発達します。
内花被 : 形状は細長い円錐形で先端部は尖り、やや内巻きで、軸方向に垂直に立ち上がります。花色は赤紫色または青紫色で、地の色と同色の非常に細い筋が発達し、周縁部には白色の覆輪が入ります。
花柱枝 : 内花被よりも小さく、内花被片の中に埋もれたように見えます。紫色で軸方向に斜め上に立ち上がります。濃い青紫色で周縁部に白色の糸覆輪が入ります。先端部は裂開してさじ状のすい弁が発達し、軸方向と垂直に発達します。ずい弁の先端部はわずかに白色です。
備考 : 1851年(嘉永4年)以前の江戸時代に育成されたと言われています。白色の地に、濃い紫色の筋が入り目立ちます。紫色は赤紫糸または青紫色のどちらかになります。本ホームページの1枚目の写真では、内花被片の色が、赤紫色、または青紫色になって、両方の色が1花被片中に2つに分かれて存在していますが、このように、個体によって花色が異なる変異が認められます。本学の調査では、年次変異によるものでした。
したがって、外花被片の地の色も、薄い赤紫色か、薄い青紫色になります。アイの黄色部分の周辺に濃い砂子模様が入り、先端部に向かって濃い砂子模様が発達している点では同じです。
花器官の中心部に軸方向に垂直に発達した内花被片と、大きさがほぼ同じ花柱枝が発達するので、外花被片の広がりが顕著に見えます。
本ホームページでは、明治神宮との共同研究によって分譲された株を掲載しています。
参考文献 :
  • 田淵俊人・平松渚・中村泰基・坂本瑛恵.2008.日本伝統の園芸植物,ハナショウブの特性に関する研究 3.明治神宮の花菖蒲園(林苑)における土壌,および水質について 英芸学研究 7(別2):577.
  • 田淵俊人.2016.江戸時代中期から後期―ハナショウブ栽培の飛躍的な発展と菖翁の業績.『花の品種改良の日本史』(柴田道夫監修).悠書館,東京.238−240.
  • Kobayashi, T. and T.Tabuchi. 2024. Characteristics and apprication style of Japanese irises (Hana-soyubu) 1. Edo-group and Higo group. WOTZ Book. International Society for Horticultural Science. 98.

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