玉川大学農学部教授 田淵俊人
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    更新日 2023年1月10日

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花菖蒲図鑑

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はくりゅうのつめ

白竜の爪

Hakuryu no tsume

江戸系 【花容】爪咲き(玉咲き) 【英数】三英 【花色】白色 小輪 【開花時期】2018年5月25日撮影(4年生:知野奈苗)2011年は6月初旬開花

分類 : 江戸系の三英、玉咲き(爪咲き)
花被 : 花径は5cm程度で、一般の花菖蒲に見られるように花被片は下垂せず、上向きのまま花蕾のような状態で「開花した状態」を保ちます。3枚の花被片で構成され、開花当初から花被片の両方の縁部が内側に強く巻き込んで、弁の中間部には少しの隙間ができます。花被片の先端部は尖り先端部は内側に巻いて結合し、玉状になるので「玉咲き」とも呼ばれています。1枚ずつの花被片は細長い形状をしています。
日数が経過しても、花被片の両方の縁部開かないまま上向きになって閉じた状態で咲き続けます。
花柱枝 : 花器官を解剖すると、中に白色の花柱枝が入っていますが、開花している状態では見えません。
備考 : 1910年以前から栽培されています。江戸時代に育成されたと言われています。類似品種に紫青色の「黒竜の爪」があります。
江戸ハナショウブの品種は、形態的な特徴は多種多様であることが知られています。中でも品種改良が進むと、内、外被片の他に雌しべが花被化して十数枚の花被数になる八重咲や、本品種のように花被の形状が変化する奇花咲の爪咲(外花被が完全に開かずに内面に巻き込むようにして開き、あたかも竜の爪を思わせるように咲くもの、玉咲き(外花被が完全に平に開かず、ふっくらとして丸く抱えたような形になるもの)などが品種改良されています。本品種以降には、このような品種改良はされていないようなので、江戸ハナショウブには独特の感性を持った品種改良が多くなされたようです。
参考文献 : 田淵俊人.2016.ハナショウブ(監修:柴田道夫、花の品種改良の日本史),悠書館,東京.242‐246.
知野奈苗・田淵俊人.2021. 「上向きに咲く」ハナショウブ品種における外花被片の組織学的特性について.園芸学研究 20(1)295.

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