なつすがた
夏姿
Natsusugata
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伊勢系 | 【花容】垂れ咲き 【英数】三英 【花色】白地に青紫色の淡いかすりが入る 【開花時期】2019年は6月21日に開花 |
分類 | : | 伊勢系の「古花」品種で、垂れ咲きの三英花です。 |
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外花被 | : | 円形で、なだらかに軸方向に下垂します。花被片の表面には、細かい縮緬状構造が発達します。花色は、薄い藤色で花被片の基部が白色になります。先端部は藤色が濃くなります。この写真は開花後3日が経過しようとしているものなので、先端部が縮んでいますので再度、撮影して入れ替える予定です。 |
内花被 | : | さじ状で軸方向に直立し、白色の地で、縁部や先端部に薄い紫色が入ります。 |
花柱枝 | : | クリーム色で、先端部で裂開して大きく軸方向に向かって内巻きになります。先端部は著しく鋸歯状構造が発達し、明瞭な「くも手」が認められます。ずい弁の色は藤色で水平に伸長し、くも手先端部は藤色が濃くなります。 |
備考 | : | 戦前に伊勢地方で育成された伊勢の古花です。本学の研究により、2n=25の異数体であることが明らかになりました。詳細は「落葉衣」を参照ください。品種名に、江戸系の「夏姿」(新花)がありますので注意が必要です。 |
参考文献 | : | ・平松 渚・平松渚・中村泰基・田渕俊人.2009.日本伝統の園芸植物,ハナショウブの特性に関する研究(第4報)伊勢系ハナショウブの外花被片の「しわ」(縮緬状構造)は,花被の向軸,背軸面の細胞形態の違いと伸長のギャップによって生じる.園芸学研究8(別2)579. ・Toshihito Tabuchi,Azusa Komine, Takayuki Kobayashi.2013.Histological structure of the ‘Crepe-like’structure of the outer perianth in the Ise type cultivar in the japanese irises. International Symposium on Diversifying Biological Resources.46-47. ・田淵俊人.2016.花の品種改良の日本史(柴田道夫編).伊勢ハナショウブの成立.悠書館,東京.p250−251. ・小林孝至・田淵俊人.2020.エステラーゼアイソザイム分析による伊勢系品種のハナショウブの起源.園芸学研究.19(別1):416. ・Tabuchi, T. and T.Kobayashi. 2024. Characteristics and apprication style of Japanese irises (Hana-syoubu) 2.Ise-group. WORZ Book. 99. International Society for Horticultural Science |