田淵俊人のホームページ
  • 研究テーマ一覧
  • 花菖蒲図鑑
    更新日 2025年7月4日

    • 用語解説
    • 品種一覧
    • 花菖蒲の起源(最新の科学的データに基づいて明らかになりました。2023年5月14日)
    • 文献一覧
    • 年代別 本学における栽培種のハナショウブ、野生種のノハナショウブの研究業績一覧
    • 写真撮影方法
    • 植え替えのポイント
    • 土の種類:有機質肥料や発酵促進剤は不要です
    • 2〜3月の管理作業
    • 4〜5月の栽培のポイント
    • 5月初旬の栽培方法
    • 夏場の作業
    • 秋の栽培のポイント
    • 根の生育診断−茶色になった葉はすぐに取り除きます
    • 10月下旬の株のチェック(根の張りを特に注意)
    • 江戸系、肥後系、伊勢系の「古花」の保存法
  • ノハナショウブ
  • 玉川学園の野鳥
  • 相模原市緑区の野鳥
  • 社会活動
  • プレスリリース
  • 教育研究活動
  • 卒業研究テーマ
  • 玉川大学収穫祭
  • 学会
  • 論文
  • 書籍紹介
  • プロフィール
  • リンク
  • トップページ
  • 農学部オフィシャルサイト
  • 玉川大学・学園総合サイト

花菖蒲図鑑

TOP > 花菖蒲図鑑 > 品種一覧-や行 > 夕日潟

ゆうひがた

夕日潟

Yuuhigata

江戸系 【英数】六英 【花色】紫(赤紫) 【開花時期】6月中旬 2025年は6月23日開花

分類 : 平咲きの六英花で、江戸系の古花です。
花被 : やや細長い丸弁で、内花被片に該当する花被片はより細いです。軸方向に対して直角、すなわち並行に伸長して外観上の花容は平咲きになります。赤紫色の地に、基部の黄色いアイと、アイの周辺部は幅の広い白色で非常に目立ちます。この白色部位を起点にして花被片の先端に向かって白色の筋が細長く伸長します。
花柱枝 : 花柱枝の基部は白色で、アイの基部と融合して白色の部分が多くなります(「ぼかし」と表現する場合もあります)。この部分から花被片の基部へと白色が繋がり、アイの周辺部に達して、花被片の周縁部に向かって白色の筋(脈)が派生しています。
花柱枝は短く軸方向に直立し、先端部は小さく2裂開してずい弁が発達します。ずい弁の先端部はやや内側に巻き、周縁部には細かい鋸歯が生じます。ずい弁の色は花被片と同様に赤紫色で、周縁部に着色します。
備考 : 戦前に育成されたと言われている、江戸系の「古花」です。花径は20cm程度。草丈は70cm程度です。
花被片が遠くから眺めて赤みを帯びた紫色に見えるので目立ちます。また、近くで見ると、花被片の赤紫色とアイの黄色のコントラストが明瞭で、アイの周辺部の白色の部分から白い筋が花被片の周縁部に向かって伸長しているので、非常に判別のしやすい品種です。
花被片の基部(根元)が白色は、表現的に「ぼかした」ような、と言っています。このような花のパターンを「白色のぼかし」と呼んでいます。
花容は、江戸系の品種に典型的な平咲き品種の一つです。
なお、稀に、花柱枝の基部から雄ずいの一部、あるいは花柱枝の一部に形態変異が生じて、肥後系品種に見られるようなクレスト(突起)状の器官が発達することもあります。本学では、長年にわたって敢えて開花させずに株を大きくしてきましたが、2025年には開花に至りました。
参考文献 :
  • 田淵俊人・平松渚・中村泰基・坂本瑛恵.2008.日本伝統の園芸植物,ハナショウブの特性に関する研究 3.明治神宮の花菖蒲園(林苑)における土壌,および水質について 園芸学研究.7(別1):577.
  • 田淵俊人・平松渚・中村泰基・坂本瑛恵.2008.日本伝統の園芸植物、ハナショウブの特性に関する研究.(第3報).明治神宮(林苑)のおける土質および水質について.園芸学研究 7(別2):578.
  • 中村泰基・平松 渚・田淵俊人.ノハナショウブの変異性に関する研究.2009. (第11報) 外花被片基部に見られる「とさか状突起様の構造」について.園芸学研究 8(別1):412.
  • 中村泰基・平松 渚・田淵俊人.2010.ノハナショウブの変異性に関する研究 (第11報) 外花被片基部に見られる「とさか状突起様の構造」について.園芸学研究.10(別1):430.
  • 田淵俊人.2016.花菖蒲の品種分化の歴史とその原種ノハナショウブ.園芸春秋. 11/12号:586.
  • 田淵俊人.2016. 花菖蒲の維持管理における諸問題の解決法. 東京都公園協会講演要旨集.
  • 田淵俊人.2016.花の品種改良の日本史(柴田道夫監修).p238−239.悠書館,東京
  • 田淵俊人.2019.ハナショウブの品種分化の歴史と、品種育成の基になった原種のノハナショウブ.京都園芸 第103集:46−50. 京都府立植物園.
  • Kobayashi, T. and T.Tabuchi. 2024. Characteristics and apprication style of Japanese irises (Hana-soyubu) 1. Edo-group and Higo group. WOTZ Book. International Society for Horticultural Science. 98

戻る

▲TOP

当サイトの全ての文章・写真・図版の無断転載を禁じます。
個人情報保護 | 著作権・リンク | このサイトについて
Copyright (C) Tamagawa Academy & University 1996- All Rights Reserved.