研究室ガイド

玉川大学 入試Navi

卒業研究紹介

生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(關 義和 准教授 指導)

玉川大学箱根自然観察林における
ニホンジカの生息密度推定

神奈川県におけるニホンジカの管理について検討するため、箱根町南部に位置する玉川大学箱根自然観察林で本種の生息密度を評価した。自動撮影カメラから得られた撮影回数や滞在時間などの指標を用いて推定した生息密度は、これまでに箱根町北部で報告されている値よりも高かった。撮影頻度について、過去10年間の値と比較すると、2017年以降に増加傾向にあった。これらは、近年の静岡県側での個体数増加が起因していると考えられる。箱根町は、県の管理計画で定着防止区域に指定されているが、すでにニホンジカは比較的高い密度で定着している可能性がある。そのため、植生への影響が顕著になる前に植生保護柵を設置し、本種の個体数についても広域的にモニタリングしていく必要がある。

各地で増加し問題となっているニホンジカ

研究に取組んだきっかけ、感想など
私は、大型哺乳類に興味があり、野生動物問題を意識するきっかけとなった動物がニホンジカでした。そこで、ニホンジカに関わるテーマを選びました。本研究で、膨大なカメラデータから、種を同定し、ニホンジカの滞在時間を計測することが大変でした。しかし、自分で試行錯誤しながら少しずつ進めていくことで乗り越えることができ、成長できました。今後も、日本の野生動物問題について興味を深めていきたいと思います。