最先端技術で高品質な野菜を作る、
新しい農業のカタチ
Sci Tech Farm(サイテックファーム)とは
温度や湿度、光などの栽培環境を科学と技術で自動的にコントロールする新しい野菜生産実習施設です。
最先端技術でレタスができるまでの流れ
種まき
ピンセットでていねいに種をまきます。
LED農園では土を使わない水耕栽培を行っています。
発芽
特殊なLED光のもと、均一に発芽させた苗を用いて育苗します。
約2日で
発芽
育苗
苗作りは育苗用のLEDランプを用いて行います。
植え付け
本葉が3枚程度に育ったら定植トレイに植え付け、LED光環境の栽培棚に移動させます。
栽培
赤、青、緑の3色のLED光源で栽培。この光源の色の違いで栄養や味、歯ごたえや色合いをコントロールすることができます。
約15日で
収穫
収穫
オートメーション化により、自動的に収穫できます。
労力や人件費の削減につながります。
安定した食料生産技術開発への展開をめざして学ぼう。
渡邊 博之教授
私たちは、光合成など植物の光反応についての生理学的研究やLED植物工場の研究開発などに取り組んでいます。次の目標は、LED技術とロボット技術を組み合わせた自動化植物工場や、宇宙での食料生産技術の開発。学生には、学んでいる内容がどう応用技術に結びつき、社会に役立つかを意識してもらいたいですね。小金井さんの良さは、幅広く興味や関心を持って研究を進めている点。一つひとつ事実を積み上げていく研究姿勢を身につけ、さらに成長してほしいと思います。
アントシアニンの生合成メカニズムの解明に挑んでいます
東京学館浦安高等学校 出身小金井 一希さん
渡邊先生はとても面倒見のよい先生。卒業研究のテーマ設定に悩んで相談に行くと、じっくり話を聞いたうえで、親身にアドバイスしてくださいます。そうして先生と話し合って決めたテーマが「レタスの葉に含まれるアントシアニンについて」。アントシアニンの生合成と光環境について解明されていない部分を追究したいと思っています。卒業研究は1年間で何らかの成果を出すというプレッシャーも感じますが、自分だけのテーマに没頭できるので期待も大きいですね。
水産資源の新しい養殖技術を研究する施設「アクア・アグリステーション」が誕生
アクア・アグリステーションで主に研究するのは、“閉鎖環境”でのアワビや魚類の養殖。自然界ではエサが不足して成長が遅れたり、環境の変化で個体数が減少したりしますが閉鎖環境ではエサも環境も人間が管理するため、その問題は起こりません。この研究が成功すれば、海から遠く離れた場所でも安全・安心に食料を生産できるようになります。
先端食農学科では、食品加工や機能性食品についての研究と、システム農学の研究という2つの研究領域で構成されています。
このうち後者は、LED農園®やアクア・アグリステーションで、最先端のシステム農学を学ぶことができます。
実践教育の場「フードサイエンスホール」
「たまがわはちみつ」や「たまがわアイスクリーム」などの玉川学園オリジナル商品の生産加工の拠点となっています。「食」をキーワードに、生産現場をはじめとする活動と、研究室・実習室などの活動の双方で学際的な協働学修が可能です。試作と評価を繰り返しながら、新しい食品の生産システムの構築をめざしています。
「食」をきっかけに様々な学びに取り組もう
静岡県立沼津西高等学校 出身木村 渚さん
キャンパスライフは、自分の行動次第で充実度が変わると感じます。私は食品の改良開発に興味があり、その知識を蓄えるために先端食農学科に入学しました。この学科は、機器類が充実した実験室やフードサイエンスホールを利用した実験・実習に取り組むことができ、食品に関する化学的な知識や問題点などを学ぶことができます。さらに、他学部他学科の科目履修が可能なカリキュラムなので、私は読解力といった力も養えています。多方面において学修環境が整っている大学は数少ないと感じます。先端食農学科は、社会に出る前に必要な多くのスキルを身につけるために最適な場所です。ただその場所でどう行動するか。そのアクションがとても大切だと思います。
身近な「食」と「健康」について考えてみよう
冨田 信一教授
いま日本では、単に長寿なだけでなく長く健康でいる健康寿命が重視されています。食と健康は身近なものですが、食品に含まれる成分がどんな機能を有し、どのようにヒトの健康にかかわるのか、その多くは解明されていません。もともと乳業メーカーに勤めていたこともあり、ミルクや母乳、赤ちゃんの健康について主に研究しています。「食品製造科学」や「応用栄養学」などの授業を担当していますが、学科のカリキュラムは実験・実習を効果的に配置し、座学だけでない体験的な学びから実践知を得られることが先端食農学科の大きな特長です。