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卒業研究紹介

生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(南 佳典 教授指導)

江戸川区に生息する食葉群コガネムシ類
成虫の食餌植物における発生消長

食葉群コガネムシ類成虫は広食性を持ち、農林業害虫として注目されている。しかしながら農作物以外の食餌植物に関する研究は僅少である。本研究では江戸川区で食葉群コガネムシ類成虫の分布を把握し、防除対策を考察することを目的とした。江戸川区河川公園篠崎緑地10号および篠崎公園に、毎月1回の頻度で分布を調査した。確認された個体の殆どがアオドウガネであり、ツツジに摂食が集中していた。アオドウガネが他の食葉群コガネムシ類を圧倒しており、一部の植物に選好性があると考えられる。アオドウガネを防除するにはその地域で本種が選好する植物を把握した後に灯火の元に選好する植物を設置し、発生を集中させて駆除することで被害の軽減が可能になると考えられる。

アオドウガネ
アオドウガネ、マメコガネの食餌植物ごとの発生消長

研究に取組んだきっかけ、感想など
私はコガネムシに興味があり、コガネムシの生態に関わるテーマを選びました。大変だったのは調査地の決定です。本研究はコロナ禍により、急遽地元で調査することになったため、どこでコガネムシが確認できるかをあちこちに探しに行きました。今回は様々な制限があり、大変でしたが、都市でのコガネムシの生態についての知識を更に深めることができたと思います。