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ニホンジカとニホンカモシカの共存機構を解明! 關義和 准教授

ある地域で野生動物たちはなぜ共存できているのでしょうか。あるいは、なぜある種が存在すると他の種が生息できない場合があるのでしょうか。こうした共存機構や群集構造の決定機構を理解することは、特定の種がもたらす影響を評価する際や生物多様性の保全を進める上で重要な課題となっています。

本研究では、シカとカモシカの共存機構を明らかにするために、シカの低密度地域における両種の生態を比較しました。その結果、2種は調査地域に広く分布するものの、選択的に利用する環境や活動時間帯は明確に異なり、こうした空間的・時間的な生息地利用の違いが彼らの共存を可能にしていることが示唆されました。これらの結果は、全国的に増加しているシカの影響を視野に入れたカモシカの保全を検討していく上で重要な発見となりました。

論文名 Habitat selection and activity patterns of Japanese serows and sika deer with currently sympatric distributions
掲載雑誌 Animals, 11: 3398
URL https://www.mdpi.com/2076-2615/11/12/3398