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玉川大学 入試Navi

卒業研究紹介

持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(小原 廣幸 教授 指導)

毛管水耕栽培におけるトマトの給水用不織布の面積の違いと
ビニールシートの有無が生育および果実品質に及ぼす影響

養液栽培の一つである毛管水耕栽培による高糖度トマトの栽培を行った。不織布の面積の違いによる水分ストレスが、トマトの果実におよぼす影響と、不織布の上をビニールシートで覆うことにより、培養液の蒸発抑制の効果を3処理区で調査した。50%シートなし区は、栽培後期に過度に水分ストレスがかかり、結実率や商品化率が低かった。100%シートあり区は、ルートマットが薄く水分ストレスが弱かったため、糖度が低かった。50%シートあり区は、シートにより培養液の蒸発が抑えられ水分ストレスが緩和されたため、結実率が向上し障害果が減った。シートを用いることにより定植後に不織布を外す必要がなくなった。以上のことから、50%シートあり区がトマトの高糖度栽培に適していると考えられる。

トマトの果実調査

研究に取組んだきっかけ、感想など
環境問題が懸念される今、品質重視だけでなく、持続的可能な農業の重要性を感じ、環境負荷の少ない栽培方法で高糖度トマトの栽培を行いました。新型コロナウイルスの関係で自ら栽培や調査ができなかったのは残念でしたが、いただいたデータをまとめて論文作成を行いました。卒業後は飲食業界で、プラスチックごみや食品廃棄などの削減に取り組み、食を通して農業や環境を配慮しながら、持続可能な社会を目指していきたいです。