研究室ガイド

玉川大学 入試Navi

卒業研究紹介

2021年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(小林 祥子 准教授指導)

マイクロ波衛星およびUAVによる
森林バイオマス量の推定

近年、林業の労働生産性が減少するなか、増加する木材需要に応じるため、スマート林業が推進されている。そこで本研究は、マイクロ波衛星およびUAVによる森林バイオマス量の推定を目的とした。マイクロ波の後方散乱、UAVから算出した植生指数、樹冠の大きさとバイオマス量の関係をそれぞれ解析した。解析の結果、HH、VV偏波がバイオマス量と正の相関を示した。これは、樹冠の葉や下層植生が減少する時期において、マイクロ波が林冠を透過し2回反射散乱が増加するためだと考えられる。またUAVでは、植生指数、樹冠の大きさがバイオマス量と正の相関を示したが、植生の量と解析範囲が制限要因になることが明らかになった。

左:マイクロ波衛星画像(偽色合成画像)
右:UAV:ドローン画像より判読した樹冠の大きさ(コナラ)

研究に取組んだきっかけ、感想など
遠く離れたところから、森林を観察することに魅力を感じ、本研究に着手しました。人工衛星やUAVの画像解析では、沢山の英語論文を読み、海外の画像解析ソフトを使ったため理解するのが大変でした。しかしスマート林業における小さな一歩を踏み出せたと誇りに思っています。