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卒業研究紹介

2021年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(上原 歩 准教授指導)

シャクチリソバの異なる部位における
抗酸化活性能・ルチン・シュウ酸の採取月における変動と機能性評価

シャクチリソバはソバの近縁種であるが、食用としての利用は行われていない。本研究では健康食品素材など、本種の将来的な利用の幅を広げるため、根、葉、花、種子における抗酸化活性能とルチン、シュウ酸含量の採取月による変動を分析することで、その機能性を評価した。抗酸化活性能はDPPHラジカル捕捉活性により、ルチンとシュウ酸の量はHPLCを用いて求めた結果、同一部位でも採取月や採取地によって値は変動し、抗酸化活性能とルチンは花や葉で、シュウ酸は根で特に高い値を示した。また、抗酸化活性物質であり、人への有益な機能が報告されているルチンは葉や種子で抗酸化活性能の変動に影響を与えていた。本研究から本種を利用する際は花や8月の葉が適していると考えられた。

シャクチリソバ(左)・各部位の抗酸化活性能(右)

研究に取組んだきっかけ、感想など
海外プログラムに参加した際、フィールドワークで様々な特徴を持つ植物の葉や実を口にする機会があり、これがきっかけで雑草と言われるような野生種植物の機能性を評価し、利用に繋がるような研究をしたいと考えました。教員の方々にアドバイスを頂き、文献などから知識を得て、多くのことを学びながら自分が主体となって調査・分析を行った卒業研究は、自ら行動することが苦手な私の今後に活かせる貴重な経験となりました。