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卒業研究紹介

2021年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(関川 清広 教授指導)

玉川学園キャンパスのスギおよび
ヒノキ植栽林における2年間の毎木データ比較

近年、管理が不十分な人工林(荒廃森林)が増加し、生態系サービスの低下が懸念されている。荒廃森林管理の基礎として、本学園キャンパスで未管理状態の人工林の成長を明らかにするため研究を行った。スギ植栽林2林分とヒノキ植栽林1林分、スギ・ヒノキの混植林分について毎木調査を行い、2019年の調査結果と比較した。胸高直径と樹高は2019と2021年の回帰分析を行い、一部を除き有意であった。これらから各林分の材積成長(2019-2021)を0.03-13m3/ha・yrと推定した。既往の研究例(60-210年生林分で10m3/ha・yr前後)に比べて少ない林分と同程度の林分が見られた。成長が少ない林分は、立地や未間伐の影響を受けていると考えられる。

本研究の調査区の位置

研究に取組んだきっかけ、感想など
林野庁による森林・林業白書を読み、日本の森林や林業の動向を知りました。近年、林業従事者の減少や高齢化で森林の管理ができておらず、豊富な森林資源を有効活用できていないことは大きな問題だと感じました。荒廃森林の管理を考えるには、管理前の林分を明らかにする必要があります。そのため、未管理状態の林分を知るために研究を行いました。研究を通して専門的な知識や考え方、文章の書き方など学ぶことができました。