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卒業研究紹介

2021年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(小原 廣幸 教授指導)

毛管水耕栽培装置における施肥濃度の違いが
トマトの生育および果実品質に及ぼす影響

施肥濃度をEC1.5・2.0・2.5に設定し、高糖度トマトの生産に最適な施肥濃度を求めた。第二葉が展開した桃太郎ピースを装置に定植し、施肥濃度をEC1.0、1.5、設定濃度の3段階で上昇させた。地上部の生育過程はEC2.5区が最も旺盛であったが、栽培終了時に差は見られなかった。果実サイズはEC1.5区よりEC2.5区が小さく、糖度はEC1.5区とEC2.5区が第二果房で、EC2.0区が第三花房で糖度8以上となった。酸度はEC2.5区がEC1.5区よりも高かった。水ストレスのほかに施肥濃度の違いによる塩ストレスが見られ、EC2.5区とEC2.0区はストレスが過剰であった。果実品質が高く、施肥量も削減されるEC1.5が、最適であると考えられる。

栽培装置(左)とトマト(右)

研究に取組んだきっかけ、感想など
付加価値を持たせた作物の栽培が一般になった現代農業において高糖度トマトは、生食が消費の中心である日本で特に大きな需要が見込まれます。そのため、農業にかかわる分野を履修する上で、研究する意義が高いと考え研究に取り組みました。研究は栽培を春から夏にかけて行いました。栽培期間中は観察や生育管理といった手間が多くかかり時間的余裕はありませんでしたが、研究を終えた今ではトマトへの深い理解と共に、研究を行ったことの満足感があります。