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卒業研究紹介

2021年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(小林 祥子准教授指導)

衛星リモートセンシングによる
東京湾の潮目の推定と浮遊ゴミ分布との比較

近年、海洋ゴミによる環境問題が多発する中、潮目によるゴミ回収システムが存在する。本研究では、衛星データから潮目を推定し、東京湾における海洋ゴミの収束場所との関係を解析することを目的とした。衛星観測の海表面温度から推定した潮目とゴミの回収位置の重なり度合い、ゴミ収束位置の推定精度が高い月における潮目内の温度差を算出した。結果、衛星観測データから推定したゴミの収束位置の推定精度は、先行研究の現場調査により観測された潮目とゴミ収束位置の一致率と同程度であることが示された。また温度差が低くても潮目は形成されることが明らかになり、塩分濃度や降水量などの他の要素を取り入れることで、ゴミの収束場所を高い精度で推定できる可能性が示唆された。

東京湾の海表面温度(左)、潮目とゴミの回収位置の関係(右)

研究に取組んだきっかけ、感想など
私は大学に入る前から地球環境問題に関心を持ち、特に海洋ゴミに関する問題はよく耳にしていましたが、どのように回収されているのか知りませんでした。そこで疑問に思ったので調べたところ「潮目によるゴミ回収システム」に感心し、卒業研究のテーマに生かしました。最初は扱うデータが多く色々大変でしたが、解析が進むに連れて次々と知識が増えていき、その嬉しさに終始没頭していた結果、気づけば卒論が完成していました。