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卒業研究紹介

2021年度卒業の持続的農学領域の卒業生による研究紹介です(上原 歩 准教授指導)

オイスターリーフ種子の休眠打破に効果的な
低温処理の方法の確立

オイスターリーフは牡蠣のような風味を持つ植物であり、近年、日本でも注目されている。しかし、国内における種子の休眠打破や、栽培方法に関する情報が少なく、あまり生産されていない。本研究では本種の最適な休眠打破の方法を確立することを目的に、春と秋の2度にわたって発芽実験を行った。種苗会社の示した方法を基にした春の実験では、発芽率の高かった処理区でも10.0%であった。一方、本種の種子散布を検討した学術論文を基に行った秋では、最高で70.0%と、種苗会社が示した36%を大きく上回った。本研究から、本種の休眠打破には2℃の湿潤環境で4~8週間の低温処理を施し、15~25℃の環境で発芽させることで、高い発芽率が得られることが明らかとなった。

オイスターリーフ(Mertensia maritima

研究に取組んだきっかけ、感想など
植物でありながら牡蠣の風味を持つという他にはない特徴を有するオイスターリーフに魅力を感じ、研究材料に選びました。研究は思い通りにいかないことの方が多く、何度も失敗しました。その度になぜ失敗してしまったのか、どのようにしたら成功するのかを考え、改善しました。楽な道ではありませんでしたが、失敗の数だけ成長できたと感じています。学生生活最後の集大成として悔いの残らないものとなりました。