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卒業研究紹介

2021年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(南 佳典教授指導)

雑草量変化に対する地表徘徊性甲虫の反応と
それによる作物被害の変化

地表徘徊性甲虫は環境指標生物や生物農薬として注目されている。アブラナ科作物では被覆植物を間作することによって害虫被害を軽減できることが知られており、それには地表徘徊性甲虫が関わっていると考えられている。耕作地の雑草防除を減らすことによって地表徘徊性甲虫の個体数および種数が増加することも知られている。しかし、生物農薬としての研究例はまだ少ない。本研究では、雑草防除を少なくすることにより害虫被害を軽減できないか検討することを目的とした。玉川大学第3農場の一画でピットフォールトラップを設置し、作物を栽培した際に捕獲される地表徘徊性甲虫の個体数と作物の被食率の変化を調査した。結果、雑草量が増えるにつれ捕獲個体数は増え、食害面積が減少した。

アオオサムシ(左)とシロチョウ属の幼虫(右)

研究に取組んだきっかけ、感想など
以前から生物農薬に対して興味があったので研究テーマにしようと考えていました。地表徘徊性甲虫は生物農薬として注目されていましたが、利用するための研究はほとんどなされてきませんでした。そこで雑草を利用して益虫の数を増やせば害虫防除にいい影響を与えられるのではないかと考え、研究を行いました。手探りで進める研究だったので、過去の論文をもとに自分で主体的に考え実行する貴重な経験となりました。