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卒業研究紹介

2021年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(山﨑 旬 教授指導)

イワギリソウ(Opithandra primuloides:イワタバコ科)の
葉片培養および葉挿しによる増殖法の検討

イワギリソウは乱獲と森林伐採が原因で絶滅が危惧されている。これまでに、無菌播種による増殖方法が報告されているが、成株から採取した外植体を用いた増殖方法は確認されてない。その為、葉片培養と葉挿しの実験を行った。葉片培養では、外植体供試時期の季節の影響を調べる為に合計4回の実験を行った。このうち、6月の実験においてのみ無菌系への導入に成功した。このことから、イワギリソウは春頃に外植体の採取を行い葉片培養することが良いと考えた。葉挿しでは、無処理と発根促進処理の2つの処理区を設け、3種類の用土が個体の生育に及ぼす影響を調べた。根数は発根促進処理の方が多く確認されたが、無処理の方が1個体当たりの根長が長くなり、シュートが多く確認された。

葉片培養を行ったイワギリソウ

研究に取組んだきっかけ、感想など
授業で組織培養について学びました。組織培養とは切り取った植物の一部を殺菌し、培地に置床することで個体を増殖することができるというものでした。自分は絶滅危惧種を増殖させる研究を行いたいと思っており、この学びから組織培養の研究について考えるようになりました。⾃分が主体となって行った組織培養はコンタミや枯死を引き起こすと大変な事がありましたが、自分にとって貴重な経験となりました。