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卒業研究紹介

2021年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(南 佳典教授指導)

北海道玉川大学演習林における
野生動物によるログ堆積物の利用

森林内の生物多様性保全において、ログ堆積物は多様な生物の生息域や餌として種多様性の維持に重要な役割を果たしている。生物多様性保全に対して枯死木の重要性は明らかにされてきているが、それらを利用する生物種間の相互作用についてはほとんど研究されていない。本研究では北海道弟子屈農場屈斜路演習林内に残置されたログ堆積物における動物や痕跡の撮影、動物の行動パターンの把握、また過去のデータから年度ごとの違いを検討した。その結果、ログ堆積物は様々な目的で利用され、捕食-被食関係の生物間相互作用がログ堆積物周辺に形成されていることが確認された。また、撮影年度の違いによる出現動物の変化や行動パターンにある程度の傾向があることが確認された。

研究対象にしたログ堆積物

研究に取組んだきっかけ、感想など
カナダ留学した際にナースログを見て研究対象としたいと考えた。研究ではデータ数が多く必要なデータの取捨選択が大変だったが、ログ堆積物を利用する生物の多さや動物の行動パターンなどに驚かされた。普段の生活の中では森林内にある枯死している木を気にしたことがなかったが、普段気にしないものの中にも重要なものや多くの発見があることに気づき、フィールドワークをして実際に確かめることの大切さを学べたので良かった。