研究室ガイド

玉川大学 入試Navi

卒業研究紹介

2021年度卒業の生態系科学領域の卒業生による研究紹介です(友常 満利 准教授指導)

バイオチャー散布が
林床のササの生産量に与える影響

森林生態系へのバイオチャー散布は大気からの効果的な炭素隔離法と期待されているが、林床植生の炭素吸収量(生産量)に与える影響を評価した例はない。本研究では、3つの異なる量でバイオチャーを散布し、林床のササの生産力 (被度・草丈・乾燥重量)と周辺の環境(気温・地温・土壌含水率・照度)に与える影響を調査した。その結果、林床植生の生産量には調査区間で有意な差は認められなかった。また、環境要因においても同様に有意な差は認められなかった。本研究と過去の文献からバイオチャー散布の樹冠木や林床植生の生産力に与える影響は小さく、バイオチャーとして投入された炭素量のみが炭素隔離として重要な意味を持つことが示唆された。

調査区
ササの被度

研究に取組んだきっかけ、感想など
指導してくださった友常先生がバイオチャーに関する研究を行っており、話を聞いて興味を持ちました。過去の文献から作物や樹木の研究しかないことを知り、林床植生の応答について研究しようと考えました。自分が主体となり、測定や分析を行った卒業研究は貴重な経験となりました。